OUR DAYS2007年2007/4/29

昼。楽器に比べると油漬けだけにダメージの少ない絵の具箱。絵の具のチューブはみんな固まってるので、ひとつひとつライターであぶりながら開けていく。

2

ウインザーアンドニュートンのセルリアンブルーやマツダのコバルトバイオレットなど2000円近い絵の具がごろごろ。道具ばっかり一流。


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キャンバスを張るために古い描き損じの釘を1本1本抜いていく。まだまだ再開には時間がかかる。筆の手入れをして、張り器のゴムやオイルなど、足りない道具を買いに世界堂まで行って帰ると、もう水戸黄門が始まってしまった。


「きょうの準備はここまで。」

なおみから遅れること一週間、シュウもようやく始動。

黄門様が出会った松本の指物職人友造は、娘夫婦への誤解から指物師を引退して居酒屋を営んでいた。悪家老の陰謀で娘が窮地に陥る中、真実を知った友造。それを知らせたご老公が友造の道具箱を開けると、鉋やノミがぴかぴかに手入れされていた。

「うーーーん」

ほろ酔いも手伝って、すでにうるうる状態で見ていたボクとなおみは思わず同時にうなった。

「ずっと使わなくても、手入れはキチンとしてないとね。」
「ケースにカビがはえるようじゃなぁ。」
「シュウの絵の具箱もね。」

指物師友造は、娘婿の忘れ形見である孫を指導して、見事テーブルを完成させ、悪家老と悪商人の企みを阻止した。

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