OUR DAYS2007年2007/7/30

講習前半はぐずついた天気で気温も低い日が多かった。

ある夜、タロー散歩に行くと、前日までコース途中の坂道にやたらといたヒキガエル一匹も見あたらない。「不思議なことだ」と、思いながら歩いていてぴーんときた。

「空気が変わってる。」

東京が小笠原気団の勢力圏に入った。深夜の「勝手に梅雨明け宣言」だ。 皮膚が乾燥すると生きられない両生類は湿度の変化に敏感なのだろう。果たして翌朝、空は真っ青に晴れた。色も音の反響もきのうまでとは異質な空気に包まれている。

え?ライバル気象庁は関東の梅雨明け宣言を見送った?

毎年、梅雨明け宣言の精度を競っている気象庁は、相変わらず気圧データや衛星写真とにらめっこしているようだ。もっと、自然と対話しなくっちゃね。 ヒキガエルに教わった梅雨明け、今年も気象庁との対決を完全に制したかに見えた。

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ところが外れ続けていた天気予報がここのところ当たる。

「先生ー!雨が降ってきたよー。」
「うむうむ。夕立というヤツだな。ひまーわりぃ、ゆうーだぁち、せみのこーえー♪」
「雷鳴ってる。」
「あはあはあは。夏の嵐は風情があるなぁ。『夏!』の嵐は…」


そしてこの日はとうとう肌寒いほどの曇天。昼前にはタライをひっくり返したような雨になった。

「先生、そろそろ、負けを認めたらぁ?」

…とオナツ。むろん、先日出した「勝手に梅雨明け宣言」の件である。

ヒキガエルにたばかられた。

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