OUR DAYS2007年2007/9/30

FOMAになってから、しらべ荘がDoCoMoの圏外になってしまった。ちょうどボクの携帯電話が壊れたので、ヨドバシカメラに行って、二人の携帯をauに変えた。新規契約なので二台とも1円だったのには驚いた。

「どれを選んでも一円ですから、最新機種にされたらいいですよ。」

と、店員に言われて、ボクは5.1メガのカメラを搭載した機種を、なおみは防水のワンセグ対応機種を選んだ。お風呂でテレビを見られるそうだ。それにしても、いったいどういうからくりで、こんな高機能の端末機が1円になるのだろう。お風呂であれこれ操作してみたが、ようやく地上波デジタル放送を受信した頃には二人ともすっかりのぼせてしまった。

お風呂からあがって、夕飯を食べながらNHKの「シルクロード」を見た。シリアのゴラン高原で、アラブ人の老夫婦が、イスラエルの占領地帯に嫁いだ娘と国境線で会っている映像があった。地雷の埋設された谷を挟んで、拡声器を使い、互いの安否を大声で確かめあっていた。老婆が遠くで豆粒のように手を振る孫の元気な姿を見て涙を流していた。その谷を叫びの谷と呼ぶそうだ。酔いも手伝ってボクたちも揃ってボロボロ泣いた。

高い技術を誇る日本の電器メーカーさん。あそこに37型だか43型だとかのビエラとかアクオスとか、どーんと置いてくれませんか?地雷原を越えて飛ぶデジタル無線で、一生孫を抱くことのできないおばあさんに、せめて画面いっぱいにお孫さんの笑顔を届けてもらえませんか?

お風呂でテレビを見られなくていいですから、戦争で引き裂かれた家族のために、一番きれいな色の液晶テレビを閉ざされた国境に設置してくれませんか?

福田さん、ボクたち、一生懸命働いて税金納めますから、軍艦への給油は後回しにして、あそこにテレビが置けるように国境の両側の政府にお願いしてくれませんか?

ぴかぴかの携帯を見て思う、雨の夜の酔筆です。

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