OUR DAYS2008年2008/6/24

ウィノーナはたぶんオーディションで、今ユタ州にいる。メールが届いて曰く、ムゲンが日本に一時帰国するから、ボクたちの忘れ物とメキシコ料理の調味料を託したという。どうやらタルサバレエはオフらしい。

ムゲンくんは、例の和食パーティーの主賓で、ボクたちのためにランディパースの事務所を調べてくれた子だ。なおみが、ウィノーナのメールにあった連絡先に電話すると、家からほど近いA町だった。家の人の話では、ムゲンくんは帰国するとすぐ京都に放浪の旅に出たそうだ。

先週連絡が取れて、今日の午前中なおみは旅から帰ったムゲンくんに会いにA駅まででかけた。届け物はこれ。

さすが我が料理のライバル、ウィノーナ。こだわりの調味料。忘れ物はコーヒードリッパーでした。


さてムゲンくん。高校の途中で渡米してダンスのオーディションに合格したという。奨学金をもらって3年間ドイツでレッスンを受け、アメリカに戻って、タルサバレエのオーディションに通ったというツワモノ22才。

放浪の旅も半端じゃない。自前の袴や作務衣で京の町を闊歩したらしい。偶然知り合った和菓子屋さんに、1週間住み込みで働きながら京都見物したあと、寺田屋で出会った龍馬ファンの車に便乗して土佐の桂浜まで行ってきたそうだ。やるなあ。旅行記にも書いたが、異国で揉まれたためか、ひどく礼儀正しい。人当たりもよく、何より気が優しい。

「あ、ムゲンって本名なのか聞き損ねた。」

なおみが言う。もう、会う機会はないかもしれないけど、いい子だったなぁ。ちなみに京都府警、袴姿の彼を、不審人物として連行、事情聴取したという。

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