OUR DAYS2008年2008/9/12

職場の近くで、いつもタロ散に行く河川敷。快適な公園がいくつも隣接しているのであえて河川敷に来る物好きもいない。だから四季を通じて人気が少ない。「北風とタロー」の舞台もここである。それがここ10日ほど、やけに釣り人が多い。タローが水鳥や魚影と遊ぶ岸辺も数メートルおきに釣り糸が並んで余地がない。タローが魚を驚かせては釣りの邪魔になりそうなので、水辺に近づくこともできないほどだ。もっともタローも不思議そうに眺めて、君子危うきに近寄らすを決め込んでいる。

臆病とも言う。川原に大きなシートを敷いて、生ビールのアルミ樽を持ち込んでいるにぎやかなグループがあったので、聞いてみると

「ハゼ釣りですよ。どうです。やっていきますか?」

と下町らしいノリで教えてくれた。へえー、東京の川でもハゼが釣れるんだ。食べられるのかしらん。

「ありがとう。せっかくなんですがまだ仕事中なので。」

と固辞したが、犬を連れて川原を散歩している姿は、仕事の休憩時間としては、ちと説得力に欠ける。


土手に上がって振り返ると太公望たちがシルエットを落とす川はのどかな初秋の趣だ。ふと、江戸の川をイメージするのもまた愉し。

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