OUR DAYS2008年2008/11/6

「なおみちゃーん、きみ、まだ歯医者さん通ってるのかな?…え?あしたもある?あ、もうダメだなぁ。歯磨きちゃんとしてるの?」
「なによ!…あ、もしかして…」
「そう。きょうで終わりだってー!!おっさきー♪」

…と、いうわけで、初夏の頃から妻といっしょに通っていた歯医者さんが、ボクだけ一足お先に本日終了。秋になって混雑していたため、最近は別々の日に通院していた。

「しかも、ここのところ、歯間ブラシがちゃんと通ってますってほめられちゃったよ。」
「ふーんだ。今度、先生に夜は磨いてませんってばらしちゃお。」


診察室の壁に織田広喜のポートレートが掛かっていた。例によって奥さんをモデルにしたF3くらいの小品だがとても色合いがよい。いつもそれを見るのが楽しみだったので、今日、

「織田広喜は先生のご趣味ですか?お高かったでしょう。」

と、聞いてみると、ドクターは相好を崩して本当に嬉しそうに話した。

「ええ、家にも一回り大きいのがあるんですが、家内が絵の分、もっと働けと怒ってます。いやあ、これに気づかれた患者さんは初めてですよ。うれしいなあ。」

…ふむ。織田さんの作品はボクも好きだ。いつか飾る人がこれくらい自慢してくれるような絵を描きたいものだ。

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