OUR DAYS 2009/3才2009/5/9

春になり,両親が八ケ岳しらべ荘に移動するのに伴って液晶テレビやブルーレイプレイヤーを運んだら,我が家のホームシアターはブラウン管テレビにVHSビデオという90年代の環境になってしまった。

まあ,水戸黄門もやってないし,ほとんど見る機会はないのだが,休日にはやっぱりビデオを見ながらの晩酌が楽しみの一つだ。家で過ごした先の連休初日,なおみは迷った末に「101回目のプロポーズ」という古いドラマをセットで4本も借りてきた。

「何だ,映画とか借りてくればいいのに。」
「だって…」

理由は分かっている。過日,「マンマミア」という映画に付き合ったとき,ボクが二度とハリウッドは見ないと言ったのを真に受けているのだ。

悩んだ挙げ句に,去年ボクが「風のガーデン」というドラマで,女性ディレクターをベタほめしたのを思い出したのだろう。あんなにつまらないストーリーを魅せるとは素晴らしい腕利きの演出家だと言った記憶がある。「101回目…」はそのディレクターが若いときの作品である。そうは言っても昔のトレンディードラマを4本も見るのは辛いところだが,妻の苦労を思うとやむなし。

それにしてもVHSビデオの画質って,地デジ,液晶に慣れてしまった目には凄まじいものがありますね。しかも役者の演技たるや見てる方が面映ゆくなってしまう。思わず吹き出しそうになっても我慢しなければならない。隣でなおみがあふれる涙をティッシュで拭っているからだ。とうとう全編を見た。

ラストシーンで花嫁が指輪の代わりに,工事現場に落ちていたナットを拾うシーンはちょっと感動した。なおみの結婚指輪は露店で買った300円のおもちゃだったが,上には上がいるものだ。…って,ドラマだし。

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