OUR DAYS 2009/3才2009/6/4

帰宅すると一足先に玄関に走ったタローが警戒の一声。見るとドアの前にコンテナがそびえ立っている。

「な,な,な…」
「ああ,届いてる届いてる。」

話は二週間ほどさかのぼり,とある休日の昼頃。呼び鈴の音に玄関に出たなおみがなかなか戻らない。不審に思って行ってみると,やたらに甲高い声の男が間断なくしゃべっていた。生協の勧誘員らしい。番犬のはずのタローは彼の足元にすっかりなついているし,なおみはと見れば,おまけ商品なんかもらっちゃって,すでに契約書の説明を聞く段階にいる。…プロの仕事である。ここまで話が進んでいては断り辛い。ボクは渋々サインに同意した。

生協の宅配は確かに忙しい家にとってリーズナブルだ。だが,共働きとはいえ,ボクたちは毎日車で出勤していているので,スーパーの買い出しに不自由していない。一週間遅れになるシステムの配達を頼む意味があるのか疑問だったが,このヘン,なおみの担当なので,とやかく言うのも何である。

「いきなり,ずいぶん買ったなあ。」

ボクが運びこんだコンテナをなおみがいそいそと開封し,テーブルいっぱいに広がった商品を満足げに眺めている。きれいなカタログから品物を選び注文票に記入していく。その楽しさにスーパーでは固い財布の紐も緩むというものだ。

「これは何だ?」
「輪ゴムのフックよ。便利そうでしょ?」
「…なるほど。で,これは?」
「マヨタッチ♪冷蔵庫の中でマヨネーズが倒れないの。」

生協のカタログ商法恐るべし!

ま,ニッ○ンのときも半年くらいだったから,そのうち飽きるでしょう。


NEXT