OUR DAYS 2009/3才2009/6/5

降り続いた雨も上がって,職場からいつもの土手にタロ散に出た。


「タロー,ボールはダメだぞ。まだ,地面がどろどろなんだから,そっと歩いてくれ。」

と,そこへどこか遠くで呼ぶ声がする。

「シュウせんせー!」

なおみの英会話に急ぐ小学生たちが,橋の上から手を振っている。

「おー!こっちから来いよ。タローもいるぞー!」
「あ!タローだー♪」

し,しまった!

と,思ったときは時すでに遅かった。土手に駆け下りてくる子どもたちに向かって,猛然と走ってゆくタロー。


「あー!!タロー!ストップ!」

…って,聞くわけないよね。しかも楽しそうな子どもたちの様子にスイッチが入ってしまった。土手を駆け下り,駆け登り,川原いっぱい走り回る。


あまりのスピードに驚いた子どもたちも引き気味。

「あああ!」

跳ね上がった水をたっぷりと吸い込んだ毛足から,ぽたぽたと泥水が滴り落ちている。


ふと,小学校の掃除で使ったモップを思い出した。木の柄に布製の紐がたくさんぶら下がっているようなアレだ。教室に戻ると,ちょうどM奈が遊びに来ていた。

「助かった。手伝ってくれ。」

雑巾を洗うこと,のべ50回余。ようやく室内を歩ける程度になったモップは,M奈にじゃれてご機嫌,罪の意識なし。

「なおみに叱られるのはオレなんだぞ!全くぅ。」

NEXT