OUR DAYS 2009/3才2009/6/15

職場のタロ散コースは小さな野球グラウンドの脇を通る。その舗道の真ん中にころりと真新しいボールが転がっていた。タローはちょっと匂いを嗅いだだけで,興味なさげに通り過ぎた。

最近は遊びの嗜好も変わったものかと思っていたら,ほどなく外野フェンスの外にある植え込みで,千切れんばかりに尻尾を振り出した。リードを解いてやると,ブッシュに潜り込み,さかんに嗅ぎ回った挙げ句に,先ほどのとほとんど変わらぬボールをくわえて出てきた。草と泥だらけになった顔を向け,褒めてくれろと尾を振り続ける。撃った水鳥をレトリーブ(取ってくる)してくるのが,先祖の仕事だったそうだ。タローにとってボールは獲物なのかも知れない。

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