OUR DAYS 2009/3才2009/6/16

休日午後の雨が降り出す前にタロ散の遊歩道を外れて,隣駅のショッピングモールに行った。ワンちゃんフックがあってボクたちにはポイントが高いのだが,2Fのラオックスが閉店で布の幕が張られ,1Fのメインフロアはお決まりの古書市が立っている。かつては人があふれていた駅前ショッピングモールも活気がない。一角にある紀伊国屋書店の支店だけは客がいっぱいだった。周辺の書店が次々と潰れたので,みなここまで来るしかない。ボクたちの目的も同じだった。

余暇の少なさに比してなおみの読書量は半端ではない。科学,経済関係を除いてジャンルを問わず,週に3,4冊のペースで乱読しているから,たまには新刊書が欲しくなるのも道理だ。ボクが絵やカメラの雑誌を見ているところに,ニコニコ顔で噂の「1Q86」上下巻を抱えてきた。ちょうど入荷したところだったそうだ。

「ねえ,これ買ってもいい?」

高価な新刊本なので一応同意を得ようとしているのか,それともレーシックの手術以来,すっかり読者しなくなったボクに興味を促しているものか。

ボクはタローとなおみを待たせて,モールの向かいにある100円ショップで読書しやすそうな小ぶりの老眼鏡を4つ買った。1986年はボクとなおみが出会った年だ。当然のことながら,当時は知識量の乏しいなおみをからかって読書を促すのはボクの方だった。このまま読書量で引き離されては,そのうち反対にからかわれたりしかねない。

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