OUR DAYS2011年2011/3/18

なぜか男ばかりで人数も増えないの新中3クラスにおとなしい女の子が見学に来た。

「お前ら、今日は女の子がいるんだから下品な言動は一切禁止だ!わかったかー!」
「ういーっす」

この時期、数学は計算問題ばかりであまり面白くない。

「まで!一番ユート!」
「はい!○○です!」
「正解!しかも上品!次!タイチ!」
「○○」
「正解!上品!じゃ3番をYちゃん、できたかな?」

例題と同じ解法の問題を見学の子に当ててみた。

「えっと…○○です。」

うそ、間違えちゃうか。こりゃかわいそうなことをしたなあ。誤魔化そうと思って大声を出した。

「ぅ惜っしいいぃ!」
「shu先生。」
「え?なんだ、ジュンヤ」
「今の声、下品だと思います。」
「な、な…」
「そうだそうだー!」
「下品下品!」

緊張気味だったYちゃんがさすがに吹き出した。

「あらら、Yちゃん、ごめんね、怖かった?」
「怖いに決まってるぞー。」
「謝罪会見だ!」

大震災で、またぞろテレビではえらい人たちの謝罪が後を絶たない。子どもたちはそんな大人たちのどたばたをよく見ている。

「ええ、このたびは、ワタクシの不適切な発言によって、多大な下品とご迷惑を教室にもたらしたことをお詫びします。」
「カシャカシャカシャカシャ」

シャッター音の口まねはタカヤ、

「押すなよ!危ない危ない!」

と言いながらもみくちゃを先導したのはトモヤだった。上品どころか、しっちゃかめっちゃかだ。こりゃ、せっかく見学に来たYちゃんも逃げちゃうだろう。 

…後日談だがYちゃんは当時通っていた個別指導塾を即日解約して入会を決めた。

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