「センセー、止めたよー!」
と、リコ。
「あたしなんか4本来たけど無~視!えらいでしょ。」
すかさずナス…チェンメのことだ。
「でかした。えらいぞ。」
地震の翌日から、子どもたちの携帯に飛び交いはじめた。文面がよくできている。信じられないほど卑劣ないたずらである。子どもばかりか中には大人でも信じて転送してしまう人がいる。
「いいか。今までは仕方ない。これからは絶対に転送するな。特に大事な友だちには決して送るな。」
こんなときは「大事な友だちに…」をつけて、正義感をくすぐるのがコツである。
「でも、先生。もしも、もしもですよ。内容がホントだったらどうすんですか。」
「そのためにオレがいる!」
断定である。微塵もぶれてはいけない。
「オレに聞け!オレに転送して確かめろ!」
理屈なんかどうでもよい。迫力で納得させるのである。ボクの子どもたちを心ないいたずらの加害者にさせてたまるか。
チェンメを止めたことを自慢する子どもたち。この子たちこそがボクの誇りだ。