李下に冠を正さずというわけではないけれど、こうなってくるとガソリンスタンドやコンビニに近寄ることすら潔しとしない神経質さがいささかボクの欠点。先日は「お昼何にしようか」と言いながらスーパーに出かけようとするなおみに、ついいらいらして声を荒らげた。
「被災地じゃカップも食べられないっていうじゃないか!オレたちの昼なんて何でもいい!ちょうどいいダイエットだって言ってるじゃんか!」
「はーい(しょんぼり)」
本当は…本当は放射性物質がこわかった。ボクがそう言えば、ボクの回りはパニックになる。だから言えなかったのだが、むやみになおみを外出させたくなかった。
その日、あとから出勤してきたなおみがスーパーの袋を開けた。
「はい、今夜のお弁当♪」
…うぞ!マジっすか。
「コンニャクやトコロテンならいくらでも買えるから、あたしもダイエット付き合うね。」
えええー!!
す、すみませんでした。ワタクシの言い方が悪かったです。謝ります。ダイエットはほどほどにしてください。
さて、そのなおみである。時間差通勤で家にいる時間が長くなっている。初日こそ地震で崩れた壁土などを片付けていたが、2日目からはだんだん掃除がエスカレートしていき、電気のカサとかレンジフードとか、もはや年末大掃除の様相を呈してきた。何もかも片付けられて落ち着かない。たった数日、しかも災害時にこの始末。もしも専業主婦だったら、家の中はどんなことになっているだろうかと考えるとそら恐ろしい。
A型神経質とB型潔癖性…典型的な割れ鍋に綴じ蓋と言える。