OUR DAYS2011年2011/3/25

このブログ閲覧者の35%ほどを占める卒業生たちは、いまだボクのマインドコントロールから完全に抜けていない子がいます(笑)ボクがことあるごとに原発の安全管理の危険性を指摘していたことも覚えていると思います。ですからある程度、発信する言動には責任があります。基本的に「ボクが元気に明るく暮らしてる限り東京は安全ですよ」というメッセージをこめています。そこでボクが、教室に通う子どもたちとM奈たちスタッフそしてなおみを守るために考えている安全基準を時と必要に応じて公開することにします。

ご覧のみなさまにおかれましては「1.東京在住の」「2.専門家ではない理科好きの一市民が」「3.政府や関係機関の発表するデータだけを元に」「4.自分と周辺の行動を決めるために考えていること」として参考にしてください。また、内容に関するご意見、ご質問はメールでお願いします。

◆24日発表の金町浄水場放射能測定結果を受けて「当面は安全」とした根拠について

放射線量はベクレルという単位で表しますが、人体への影響などを考えるときには、これに物質ごとの性質を考慮した実効線量係数をかけた数値で表します。その単位がSvです。

ここでは厚生労働省が17日に定めた乳幼児の摂取暫定基準値について考えます。

水道水から検出されたヨウ素131の実効線量係数は

(Sv/Bq)2.2×10^-8

です。これを使ってシーベルトに換算します。

100Bq(ベクレル)
=100×2.2×10^-8Sv
=2.2×10^-6Sv
=0.0000022Sv
=0.0022mSv(ミリシーベルト)
=2.2uSv(マイクロシーベルト)

比較する放射線量の目安は以下です。

レントゲン1回=50uSv
CTスキャン1回=6900uSv
自然放射線=2400uSv/年
国際食品安全基準値=1000uSv/年
安全基準値=5000uSv/年
医療・原子力従事者基準値50000uSv/年

安全基準値から自然放射線量を引いた5000-2400=2600uSv/年が「自然以外から受けてもいい量」と考えられます。自然以外とは、例えばレントゲン、航空機の利用などです。

乳幼児の暫定基準値100Bqちょうどの放射性ヨウ素を含む水道水を毎日どれくらい飲んだら安全基準値を超えるかというと

(5000-2400)/2.2/365=3.23L/日

です。つまり厚生労働省の暫定基準値は妥当です。

では、なぜ暫定なのか、暫定値は高く設定されるのかというと、その理由は単純です。事故による放射線を浴びるのは「暫く」の間だけだからです。事故が収束すればしだいに線量は下がります。暫定値はそのまま一生、浴び続けたと仮定したときの限界を推定したものなので、短期間なら影響はほとんどないということです。ただし、水の場合は空気と違って、口から入るので最終的に微量ずつ体内に残留していきます。

ですから、現在の水準であれば、ボクたちにとって、今日の水道水から検出される放射能の数値よりも「いつまで続くのか」の方がより重要な問題です。つまり事故が現在進行形であることこそがもっとも大きなリスクです。

機種依存文字を考慮して、指数には「^」、マイクロは「u」を使用しています。

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