冬期講習が終わった翌日,まず耳鼻科に行った。暮れごろから右の鼓膜が数秒間圧迫されるような状態が断続的に襲う。耳の奥に水でも入って入っているのかと思った。
「何にも落ちてないのよね。炎症もなし…。」
女医は困ったように言った。鼓膜は,ちょうど疲れてきたときにまぶたがぷるぷる震えるのと同じ理屈で痙攣しているのだと言う。
「仕事のストレスかしら…」
…いえ,ストレスはないんですけど,単純に忙しくて(;^_^A
「筋肉と神経がリラックスする薬を処方するくらいしかできないんだけど,仕事,あんまり無理しちゃいけません。」
はあ,どうもありがとうございます
2日目は皮膚科。こちらは顔の水イボで,保菌歴は長い。小児から感染する場合が多いそうだ。だから子どもと接触する機会の多い幼稚園の先生や保育士,小学校の先生などの職業病だ。
「ありゃー!!また,ずいぶん大きくなってる!!疲れがたまって免疫力が落ちちゃったんだ。てきめん,残ってた菌にやられたね。」
こちらかかりつけのやっぱり女医。
センセイ,ついさわってしまうので,この際ひと思いに全部窒素で焼いちゃってください。
「焼くには大きすぎるわ。メスで取りましょう。このままで行く?診察台にヨコになる?あたしはどっちでもいいけど。」
あ,ボク,痛みにとても弱いんでヨコになります。
看護婦さんが寝台の側にしゃがんで手を握ってくれる。
…やっぱ,痛いんだ(;^_^A 看護婦さん,ボク,痛みに弱いし,母譲りの大袈裟で騒ぐと思いますけど,容赦なく抑えつけちゃってください。
「え?あははは。わかりました。」
「いきますよー。」
ざくざく!!ぐりりりぐりぐり!!
はぉー!!ひょえー!!
「ん?しぶといわねえ,根っこが…。」
ぷすぷす!!ざっくり!ぐりぐりー!!
ひえええええ!!!
「はい,次!」
ざくざく!!ぐりん!!×9…
あんまり痛かったので,自撮りした顔写真を母となおみのラインにあげた。
いててて。いきなり手術だった。液体窒素ではうんぬんかんぬん…
母は最後まで読まない。
ぴぽん♪(ラインの着信音)「どうしたの?転んだの?すぐ帰るから!!」
いや,あの…(;^_^A
膝のリハビリに行ってたはずなのに,途中キャンセルして,急ぎ帰ってきた。急いでも杖ついて20分くらいかかっている。
オフクロ…仮に転んで怪我していたとして,オフクロが駆けつけてくれていったいどうなるというのだ。全く,いくつになっても母なのだ。