エージさん
宮古島6日目
エージさん
しだいに残り物整理的性格を持ってくる朝ごはん。
タローは回復するまで今日は留守番!!
エージさんがナナハンで迎えに来た。エージさんとは初日の止まらない挨拶のときに来て,話に加わり,さらにややこしくした業者である。結局,宿の主人がワゴン車を使って,エージさんがボクらを半日案内してくれることになったのである。
さっそく地元の人しかしらないようなスポットに次々と案内してくれる。
そして宮古島のいろいろなことを話してくれた。
この滞在記に書いた例えばタバコ栽培のこと,市の観光課による吉野海岸の開発のことなどは,彼の語った話である。
エージさんは案内を始めてすぐにボクらを気に入ってくれた。そして半日の予定を一日に延長し,自分の家の前まで来てくれという。
エージさんの家の前にはお母さんが待っていて,手作りの サーターアンダギーをくれた。宮古では「さたぱんびん」という。エージさんはそれを2,3個口に放り込んで,
「おふくろのサーターアンダギーは世界でいちばんうまいんだよ。」
…と,真顔で言った。
そして次々と誰も知らないような海岸に連れて行ってくれる。
どの海岸も入り口の道がこんな感じなので,誰も知らないのもムリはない。
なおみの貝がらコレクションも一気に増えた。
岩を起こすと生育中のサンゴを見つけた。写真を撮って,岩を元に戻した。
奥の方まで海水が入り込んでいるが,透明すぎてそうとはわからない。
こちらは純粋な宮古馬。
一度は絶滅したと思われていたが,島の農家が種を保存していた。
タロー,空を飛ぶ
ふつうの観光客がふつうに訪れる平良付近の人工海岸。
陽炎やら何やら真夏のように海の上の空気がゆらゆら揺れる。
平良に来たのは他でもない。エージさん,おすすめのいちばんそばの旨い店でお昼を食べるためである。
外観全景(笑)
うー,たまらない中の雰囲気。
これぞ宮古そば。
予想通り,麺はH製麺。
宮古焼きそば。
エージさんは大盛り野菜そば。
ボダイジュの樹
デイゴの花。
どちらも何度も通った道だったが,エージさんに教わるまで気づかなかった。
太平洋戦争末期,アメリカ軍には宮古島に上陸して要塞化する計画があったが,日本軍の弱体化が分析され,一気に沖縄本島をつく上陸戦が選ばれた。結果的に宮古島は難を逃れた。
平良の西端,久松地区に残る古い町並み
ボクはどうしても海で遊ぶだけのために,沖縄に来ることに抵抗があった。宮古を選んだのは,辛い戦争の傷跡がないからだった。
「シュウさん!なぜ,宮古にはハブがいないか知ってるかー」
エージさんが言う。
「むかし,神さまがハブを退治なさったとき,剣で切られたハブの頭は琉球に尻尾は八重山,胴は宮古に落ちたんだって。」
「頭と尻尾は再生してハブに戻ったけれど,胴は戻れずに死んでしまったんだと。それで,宮古にはハブがいないんだそうな。ははははは。」
そう,宮古を選んだ最初の理由はハブがいないことだった。タローが藪に入ってハブに噛まれたらタイヘンだ。
エージさん,ありがとう。いつか東京か八ヶ岳に遊びに来てください。
さようなら,元気で。
これはけっこう人気の宮古島スペシャルの白ずくめおまわりさん人形,その名も「マモルくん」
とくにキャプションはない(笑)
クジャク
宿の奥さんがお土産に島ラッキョウをボクたちに持たせてくれると言う。畑に収穫に行くから一緒に行こうと誘われていた。夕方になるとよく畑にクジャクが見られるらしい。ボクがカメラに収めたいだろうと思ってのことだ。
島ラッキョウは豊作だった。悪いからなおみが根や泥の始末をすると言っておいたのに,結局奥さんがやってくれた。クジャクは姿を見せなかった。誘った手前,奥さんは困った顔をしていた。
クジャクは宮古の在来種ではない。つぶれた観光動物園から逃げて野生化したらしい。だから本当は興味がなかったのだが,この流れでは話は別だ。ボクは女主人の笑顔が欲しい。
彼女には先に帰ってもらって,ボクは畑のある丘の雑木林に踏み込こんだ。7Dも300mmも持って来なかったが,70-200とエクステンダーで結果を出す。
雑木林を越えて行く群れを見つけた。
鳥は飛んで行けばいいが,ボクはいったん道路に戻って回り込まなければならない。
ついに追い詰めた。
そして捉えた!!
なおみとタローが待つ車を山の畑の中に残したまま,とうとう丘を越えて海に出ていた。
帰京前夜
食材をぴったり使い切る。
残り野菜とスパムのチャンプルー
揚げだし豆腐
海ブドウ
油揚げの味噌汁
オリオンビール!!
食後の荷物部屋(before)
30分後の様子(after)
なおみのパッキング,もはや芸術の域にある。
続いて集めた貝がらを壊れないようにティッシュでくるみながらパッキングしてゆく。
遊んでもらおうと思っていたタローも…
とうとう待ちきれなくて寝てしまった。