なおみが先に出勤した昨日,風邪で寝込み,昼も食べなかった母が起きて来て,出かけるときに新宿まで乗せて行ってほしいと言う。なおみのバースディケーキを買いに行くつもりなのだろう。
オフクロ,オレが聞いておいたよ。今年は近所のケーキ屋でチョコミルフィーユが希望らしい。当日,買いに行けばいいから安心して寝てくれ。
なおみの誕生日,「なおたん」である。
朝から本人と母を車に乗せて近所のケーキ屋に行く。
なんだよ,これは。なおたんなんだから,もっとばーん!とでっかいの買って来いよ。
「でも,これで2500円だったのよ。」
な,なに?
東京大空襲の当日,そして3.11の前日。
どうも日本中が喪に服すような雰囲気の3月10日。それが,ボクにとっては万歳三唱,提灯行列したいほどにおめでたい日なのだ。〇〇年前の今日,なおみが生まれてきたことに感謝する。神にも空にも草にも風にもありがとう。
ケーキ以外で何か食べたいものはないか?…と,天才クッカーは尋ねる。
「シュウのナポリタン!!」
また,それかよ。
もちろんボクのナポリタンは日本一おいしいのだが,たまにはもっとウデがなるような注文はないだろうか。
出社すると,次々と卒業生がお祝いを言いにやってくる。
高3になるマイコとシノは二人でお金を出し合って小さなチョコレートタルトをひとつ誕生祝いに買ってきた。
終業後,途中人形町のセイジョー石井でチーズを買う。
急げ急げ。日の変わる前に帰って乾杯だ。
もらいものの美味し赤ワイン。
Happy birthday and I love you.