超新米Tクンが昼の担当看護師だった。
「お風呂は何時にしますか?」
やったー!!風呂のオッケー出たの?
「あ」
?
「聞くの忘れました。すみません。」
あ,ホントかよー。一昨日じゃん,頼んだのは。仕方ない。土曜だけど,もし回診があったらボクも聞く。Tクンも担当の先生の誰かに会ったら頼んでみてくれ。
「わかりました。」
またTクンやらかしてくれている。糸満から来ている子で,のんびりした沖縄独特のイントネーションで話すが仕事ものんびりしている。
「(イントネーション想像しながら読んでください)イマムラさん,レントゲン検査に呼ばれました。」
ありゃあ,回診の時間なのに!オッケー,急いで行って来る。地下2階だっけ?
「あ……地下2階までは…行かなかったと思いますけど…」
わかった。誰かに聞いていくよ。
「聞いて行く」と言ってもナースステーションで聞いたら,レントゲン室の場所も覚えてなかったことがばれて,Tクンがあとで咎められるかもしれない。
外来患者に混じって1階の案内所に並んで聞く。
レントゲンの帰りに階段でばったりと回診から帰る途中の主治医と会った。ラッキー!!!
先生!!風呂はもう入っていいですか?
「そうですね。わかりました。あとでもう一度伺って傷を見ますからベッドで待っていてください。」
すみません。ボクだけのために戻らせて。…そうなのである。学部長だけでなく,このムキムキ元ラガーマンのボクの主治医も院内ではかなり偉い医者らしいのである。隣のスズキさんの主治医は敬語も使えない若い小僧で,いつも一人で回診に来るが,ボクのラガー先生には若い医者やインターンらしき学生がゾロゾロと何人も着いて来るのである。だからボクが風呂に入れるかどうかチェックするだけなのに,この体育系医師団が圧倒的なボリュームでやってくる。
これで早朝にこっそりシャンプー台のある洗面所に侵入しなくても,堂々とざくざく頭を洗える。