OUR DAYS2017年2017/6/12

二週間も住んでいた病院。手術直後にはスタスタ歩いていたのに,今は痺れがひどくて待合室のソファに座っているのも辛い。

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12時半について受付したが,診察は13時からなので窓口に断り車に戻って休んだ。梅雨なのに日差しが強い。車の窓を開けスマホのアラームを5分前にセットしてうとうとした。13時ちょっと前に足を引き摺りながら整形外科まで戻ると,もう学部長の診察は始まっていて診察中の番号が電光掲示板に表示されていた。そしてなんと,割り込みさせてもらったはずのボクの番号が次に表示されている。

こりゃいかん急げとばかり,廊下を一生懸命歩いている途中でボクの番号が「診察室にお入りください」に点いた。最初の患者は1分ほどの診察だったようだ。割り込みなのにほぼ一番じゃん。

先生!お忙しいのに時間を空けてくださってありがとうございます。お手数かけてすみません。実は…

「あー!!どうしたーんだ。聞いて驚いたよ。まあ,座れ!何やったんだ。リハビリやり過ぎたんだろ?」

いえ,リハビリしてません。

「自転車漕ぎ過ぎたとか筋トレしたとか…」

いやホントにしたくても痺れがひどくてできません。おとなしくしてました。妻の監視も厳しくて,足を組んだだけで注意されて直してましたから。

「ほんとうか…。ど,どこが痛い。」

どうも学部長はボクを誤解しているところがある(;^_^A レントゲンを見て,ボルトの緩みも金属の歪みもないことを確認,ここで初めて状況を把握されたようだ。寝台に寝かされて足や指を動かし痺れや痛みの場所を確認する。そして一つのモニターにCTの画像,他方にMRI,後ろのライティングボードに預けてあった手術前のMRI画像を準備した。

「さあ,痛みの犯人を探すぞ。」

は,はい。

ボクとしては廊下にびっちりと並んでいる予約患者のことが気になる。…先生,割り込みでこんなに時間割いてもらっていいのでしょうか。5分ほどかかって気になるところを全部見終わった。実は画像を見てもボクには全く分からない。結果は異状なし。

「長く我慢しちゃった人はね。神経が痛みを記憶しちゃってることがある。」

不確定なことは決して診断としては言わない先生だ。おそらくこれが感触なのだろう。

「鎮痛剤?ちょっと薬に頼りすぎてるね。精神的に依存してるかもしれない。…でも,そうか。よし,強い薬を出してあげよう。ただし7日分ね。来週もこの時間に診よう。なーに,また最初に診てあげるから時間はかからない。当分は立たない。歩かない。車で移動する。いい?」

…なぜだろう。ボクはこの先生にとても可愛がられている。この先生が言うのだからボクの腰は完治している。あとは神経だけだ。

帰って首を長くしていたなおみに報告した。何しろ当分「立たない。歩かない。」というのはすべてなおみの負担になるということだ。だが,なおみの関心は全くそこではない。

「あー,よかった。教授がおっしゃったなら安心!大丈夫ね。」

たとえ今は立てないほど痛くてもボクは必ず治る。あの学部長のウデが確かなことを証明し,またなおみと仕事や家事を分担するために。母や心配してくれる人たちをほっとさせるために。

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「むふむふ」

あ(;^_^Aわかってるわかってる。タローのためにもね。

今週もなおみが一人でタローのシャンプーをした。シャンプーを終わるとなぜか興奮して,PCに向かっているウデを跳ね上げてお菓子をせがむ。

処方された薬のひとつはリリカだった。小岩の医者から1日18錠を処方されていたとき,めまいを起こして倒れたことがある。だが,神経に効く強い薬は今のところこれしかないようだ。学部長にもめまいで服薬を止めたことは以前に話していた。だからだろう,リリカは「一日一錠,就寝前に服用」となっていた。

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