誰が撮っても同じになりそうな構図に焦りを覚え, 辺りにタローの姿を探すと… すでに数人のカメラマンにとり囲まれていた。
ここは弘前の郊外,鶴田町の溜池。鶴の舞橋という名の木造の橋が朝焼けの名所になっている。近くの道の駅で仮眠し,5時起きして来た。
何でも吉永小百合さんの出演するテレビコマーシャルで有名になった場所らしい。
なおみが見つけたリンゴのコンテナ。
溜池の周りは一面のリンゴ畑だった。
さて,今日はどこへ行こうか。
とりあえず岩木山を背景に五能線を待った。一時間で上下一本ずつである。
ボクはなぜか「津軽平野」の,とくに3番の歌詞に弱い。 聞くたびに涙腺が崩壊する。
米米ロード
こめマイロードと読むらしい。
つがるロマンの田んぼの中にパッチワークのように緑の畑が点在する。
止まって確かめてみると,果たして枝豆であった。
津軽にヒガンバナは一輪もない。根が越冬できないからだそうだ。冬の厳しさを物語る。
東京からはるばる750km。
空が広い。白い浜茄子が地面を這うように咲いていた。
アイヌや大陸との交易を偲ばせる古代ロマンの港…ここが秋旅の折り返し点 。
湖畔のお土産屋さんでシジミ汁とソフトクリームを食べた。
道の駅や観光地をマメにチェックして目の肥えているなおみがシジミ関連のお土産がクオリティ高く安いと言う。ごっそり購ったので女主人が感激していた。
南へ進路を返す。
タローの腰を心配するなおみ。
股関節を痛めて歩けなくなるゴールデンは多い。
斜陽館。
どうもボクは太宰が苦手であまり読了した作品がない。
地獄沼
八甲田山麓には一足早く秋が濃い。
睡蓮沼。
前日酒田の湯の浜で温泉に浸かった。手術後初めてのことだった。
まさかと思うが湯が効いたのだろうか。多少長く歩いても足の痺れにともなう痛みが少ない。
八甲田の反対側まで回り込む。遭難の碑の周りが広場に整備されているのを思い出したのだ。
とても碑まで登れる状態ではない。ここに来たのはタローとボール遊びするためだ。
誰もいない広場でタローとボール遊びする。 疲れたら休んで何度も何度も暗くなるまでいつまでも…。
ごめんね。今夜の宿にはタローは泊まれないから車で留守番してね
。
浴衣のきみは~。
ここはあの歌のできた宿。
なおみの髪に尾花の簪して…。
なんと蔦温泉の敷地にはススキがなかった。こんなこともあろうかと,SAで失敬して来ておいてよかった。
歌からはもっと民宿のようなイメージだったのだが,実際には立派な老舗旅館。ゆかりの本館はトイレや洗面が共同で格安なため,若いカップルに人気だった。おそらく拓郎の歌を知る人は少ない。
さて,あとは熱燗で飲みすぎちまうばかりなり。