出発がやや遅くなったが職場から錦糸町ランプ,一気に新東名を走り切って終点近くで仮眠。
春旅から味を占めたトラッカー用のシャワー。日曜の朝の利用者はいない。快適な身繕いができた。
ずいぶん悩んだがタローの病状が安定しているので出かける決断をした。今回の旅は2か月前から約束があったからだ。
最初の約束は三重県の津。SNSで知り合った雪ちゃんに会いに来た。雪ちゃんは後縦靭帯、黄色靭帯骨、頚椎骨化症という難病と闘っている。腰の手術のときずいぶんと励ましてもらった。
庭に綿が笑んでいる。ここは彼女の職場,スマイルコーンという障がい者福祉事業所で古民家を改装して農業を営んでいる。
最初,オフラインで彼女に連絡する方法がなかったので,スマイルコーンに葉書を書いた。橋渡ししてくれた所長さんにもご挨拶したかったのでスマイルコーンをオフ会の場所に希望した。
車椅子の所長さん,職員のいくおさん,それに雪ちゃん始め仲良し三姉妹,妹さんのお婿さんで書道家の禅さん…と,よくわからない人たちが大勢集まって歓待してくれた。
ずらり並ぶのは雪ちゃんが手作りのごちそう。
雪ちゃんは歩行器を使って元気に歩いているが,もしも転んだら寝たきりになってしまう危険があるそうだ。
どうやら雪ちゃんの家族とスマイルコーンの人たちはこれを機会の初対面らしい。みんなで農場を見物した。
日曜は休日なのでボクたちは月曜日に訪問したいと申し出たが,所長さんはその月曜にどうしても外せない仕事があるそうで,ボクらのために日曜出勤してくださったのだ。
ボクたちが訪問しても何の力にもならない。世の中にはタイヘンな病気と闘っている人がいて,こんな立派な仕事をしている人たちもいる。
スマイルコーンを暇乞いして伊賀上野に行った。
上野城を築城した藤堂高虎は我が家の主家筋にあたる。
上野城は築城中に嵐で壊滅的な被害に遭ってそのまま再建されていない。現在の天守は明治時代にスケールダウンして再現されたものらしい。
大石垣と堀は築城当時のもの。目もくらむ規模である。
白い山茶花。
雪ちゃんたちが重なる。
タローが元気なのでそのまま町へ下りた。
中心街を東へ歩く。
ここが松尾芭蕉の生家。
伊賀上野の人である。
古里や臍のをに泣としのくれ
閉館時間が近いので見学はあきらめた。
秋の日が暮れていく。
ボクのために500mおきに道端で休憩する。なおみも疲れた。
タローは駐車場に戻って吐いてしまった。歩きすぎたかもしれない。肺炎の抗生物質が強いのかもしれない。
今回は強行軍なので宿を取ろうとしたが旅籠屋の犬が泊まれる部屋は早くからどこも満室で予約できなかった。タローは車に残留できる体調ではない。
結局,いつもの道の駅でいつもの温泉,いつもの王将(笑)
タローの息が荒い。なおみは心配でなかなか寝付けず,頭に例のカンテラをつけてずっと本を読んでいた。