Apr.2nd, 2019
8.イアンとウィノーナ

バーミンガムの宿をチェックアウトする。袖すれ合うも他生の縁,これからテレビでプレミア観戦するときはウルヴスを応援しよう。

フロントガラスが凍っている。

このビミョウな角度と順序で積まないと3つのトランクがトランクスペースに入らない。すぐに忘れてしまうので写真に撮っておくことにした。

高速は無料なのに大きな路線には日本と同じような規模のサービスエリアがある。ご案内しよう。

だいたいこんな感じ。トイレも広くてキレイだがシャワートイレではない。

ドレミがコーヒーを買っている。これも日本と変わらぬ風景。

イギリス独特のものと言えば花。SAだけでなくスタンドのコンビニにも必ず花束の大きな売り場がある。

それからこれはカジノ。どこのSAにもたいていあった。

高速を下り,ナビを駆使してたどり着いたのがここ。

ウェッジウッドのアウトレット。
去年,フェイラーの工場で豪華お土産の大収穫…その再現を狙った。

まんまと安かった。…が,お値打ち品はみな焼き物だった。タオルと違って重い。割れるリスクもある。大量に買い込むのはムリだ。それでも欲張って5枚の皿を買った。
ドレミのスマホにウィノーナからメールが入った。彼女の住む町まではここから25分ほど。アウトレットに来たのは時間調整の意味もあった。

マンチェスターの南にあるリークという小さな町が旅の目的地。従妹夫妻が住んでいる。ドレミの母方の従妹で米国人のウィノーナが去年電撃再婚した相手…それがなんと2年前東京に遊びに来てウチに滞在していた英国人イアンだったからビックリ仰天。

今にして思えばあれはウィノーナがボクたちにイアンを紹介するために練った企画だったのだ。↓
今回の英国旅行は遅ればせながら二人の結婚を祝福に来たというわけだ。

どうやらこの古色蒼然たるお邸が二人の家のようだ。
ほら,ボクらの日程に合わせてニューヨークから駆けつけた伯母が入り口で手を振っている。

この家は結婚前にイアンが買ったそうだ。聞いたわけではないがこれだけの物件である。たぶんまだローン支払い中だろう。

部屋がたくさんあるので夏は観光客向けのB&Bにしようと改装中。

その最上階。寝室に次の間。

そしてピカピカの真新しい専用バスルームが付いた特等室がボクたち夫婦のために用意されていた。

キッチンにある自慢の巨大オーブンは温度の違う6つの部屋に分かれていて一度火を落とすと復帰に数日かかるのでガスは年中焚きっぱなし。笑いながら説明するイアンを見ているとドレミもボクもタローを思い出してしまった。イアンの東京滞在中,タローは彼にべったり懐いていた。

「ほらこれは召使いを呼ぶためのベルよ。今でも鳴るの。うふふふ。イアンを呼ぶのよ。」とウィノーナが笑う。
…いったい築何年なのだろうかと考える居間に何気なく立っている謎の陽気男。ボクたちの荷物を軽々と三階に運んだのも彼だった。召使い?!…まさかね。いったい何者だろう。

後でわかったことだが,彼はボクたちの滞在中,楽団を休むウィノーナにピンチヒッターを頼まれたバイオリニストの友人だった。泊まり込みで代奏に出かけている。ボクたちを迎えるためにイアンとウィノーナがどれほど心を砕いたか…それがこの後も少しずつ少しずつ見えてくる。

さて,とっておきのポットを出して本場英国アフタヌーンティの支度が調った。もちろんボクたちが東京を発つ前にリクエストしたのだが,きっとこれはほとんど伯母が作ったものだ。ボクには伯母の料理が味で分かる。


ニューヨークと東京からイギリスのリークに家族が集まった。

話が弾んでいるがボクは明るいうちに国立公園に撮影に出られるのか気が気でない。