昨夜遅く,モエ姉からもらった蕗を二人で剥きながらぼんやり想い出していた。
いつかの休日うちごはん。母が鰹出汁に油揚げとさっと炊いて送ってくれた蕗の翡翠煮でビールが進む。ボクはほろ酔い,なおみが止めるのも聞かずイタズラ半分蕗をタローの鼻先に持っていった。すると…驚いたことにタローがふんふん匂いを嗅いだあとパクリとその蕗煮を食べた。掌にビールを注ぐとペロペロと飲んで蕗をもう一口。凡そ父親の夢は息子と酒を酌み交わすことだと聞く。タローがお酒を舐めたのはあのときたった一度だった。今日はドレミが蕗を翡翠に煮た。