OUR DAYS 2018年2018/8/5

毎年恒例,夏の激務期間は一日10コマ,下は8才から上は15才の子どもたちにもみくちゃにされている。ボクたちの仕事ぶりを人が見たら狂ったかと思うほどのハイテンション。仕事は底抜けに楽しいし現実を忘れて熱中できる。

子どもたちが帰って二人になると急に静かになる。その静けさには慣れてきた。それぞれ何がしかすることがあって,とくになおみは掃除や洗濯に甲斐甲斐しい。タローが死んで何もする気がなくなったとき,なおみが淡々と続けた家事…その姿を見て,ああ生きるとはこういうことなんだと気づかされた。絵を描いたり世を憂えたり書を読んだりすることでなく、食事の仕度をし、洗濯し、髪を洗い、生活する…それが生きるということなのだと。

二人でいるときは相手に気を遣わせぬようお互い意図して笑顔でいる。ときどきふと気づくと目に涙がいっぱいだったりして,そういうときは慰める。一人になるのは怖い。

強いストレスが体に出始めて二人とも胃腸をはじめ色々なところに神経症の症状が重く出ている。医者に処方された神経性胃炎の薬や睡眠導入剤を毎日服用している。自分がこんな薬の世話になるとは思ってもいなかった。

ボクたちはこんな上がり下がりの激しい,心が不安定な状態で日々を過ごしている。犬を亡くしただけで大袈裟なと思われるだろう。けだしもっともだと自分でも思うが未だ現実を受け入れ難い状態にその自分がいる。激務期間は今日までの合宿でピークを迎えた。

明日からボクたちは旅に出ようと思う。この旅は昨夏まだタローが体調を崩す前に計画しチケットを手配した。それが獣医に余命宣言され,介護のために一度は中止を決めたものだ。それがあっけなく行ける状態になった。年初,そう言えばあのチケットはどうしようという相談になったとき,ボクは行くことを即断した。

ボクたちの旅はご存知のように予定を立てずに行く漂泊の旅である。宿の予約もしない。だが,いつも一か所だけなおみのリクエストする街を決めてそこを折り返し地点にしている。なおみは1月からずっとその町の研究に没頭した。熱中した。激しいストレスと悲しみが波のように訪れる毎日にあってその作業は彼女の心の支えになったと思う。二人の体調はあまりよくないし,ボクの腰の状態も思わしくない。麻薬に近いような鎮痛剤も飲まなければならないときが多い。眼底出血による視界の歪みも取れないし視力も戻らない。正直,気力も乏しい。それでもでかけようと思うのだ。以前のように大冒険波乱万丈の旅行記に残したくなるような旅にはならないだろう。でもどこかに何か変化のきっかけが待っているかもしれない。

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パスポートの申請

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コンサートの予約

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パスポートと国際免許証

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 ん?なぜにイシちゃんの店。実は正装しないと入れないコンサートなので服を買いに行きました。

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修理した5D Mark III

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