義母は先日,居間のテーブルにつまずいて転び,股関節骨折の大けがをしました。
隣家に住む叔母が発見してくれて病院に運び,幸いにも近くの整形外科に入院できました。
手術も成功しましたが,リハビリで退院時期は未定です。
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義母の骨折した股関節をメタルで補強する手術が金曜の午後に決まった。
付添人が必要だがあいにくと皆が仕事で都合が悪い。
15時に叔母が来てくれるまで,なおみが付き添いをすることになった。
なおみがどうしても必要になる授業が17時からなので2時間の余裕がある。
だが駐車環境もわからない初めての場所から職場まで限られた時間での移動には不安がある。
こういうときにはウチのオーリスがMTであることも多少の障害となる。
前夜,道順手順を相談しているうちに,なおみでなくボクが付添いに行った方がいいということになった。
なおみは先に地下鉄で出勤する。昼間の新宿線は新宿からはほとんどガラガラなので感染リスクは低い。
さて当日。幸先よく病院の駐車場をゲット。
立派な玄関。コロナの患者は受け入れていないようだ。
髪がぼさぼさ。
面会は全面禁止で病室に会いに行くことはできない。
看護師さんからお医者さんの外来の診療が終わる12時半までは用がないから食事をしておいた方がいいと言われる。
売店もあり,近くのコンビニもあるが院内は感染症対策で飲食ができないとのこと。
ところがここ1週間ほど腰の具合がとみに悪く足をひきずって歩くほどなのである。
検索すると200メートルほどのところにラーメン屋さんがヒットした。
小さな店だが致し方なし。
飲食店はたいへんだ。
カウンターにはアクリルの仕切りがほどこされ,窓やドアは換気のために少し開けられている。
客たちも心得たもので,連れがいても誰もしゃべる人はいない。待つ間,マスクを外す人もいない。
病院に戻ってしばらくすると,急に名前を呼ばれた。
見るともう義母のベッドがホールを横切って行く。
「お母さん,シュウです。こわくないです。がんばって。」
「忙しいのにすみません。」
話しはエレベーターの中,手術室のある階で下りたところでもう見送りだった。
2分。
それから30分もすると叔母が予定より早く来てくれた。
3時までねばっても手術は終わりそうにない。
「仕事にいっていいわよ。」
叔母の言葉に甘え早めに職場に向かうこととなった。
これならばなおみでもよかった。
車に戻ってスマホのマップで検索すると246で多摩川を渡る経路が示された。
東名の上りに深刻な事故でもあったか。
「危ない危ない。調べてよかった。」
車載のナビには渋滞の情報はない。このときにナビを開始させればよかった。
町田から東京に向かうと横浜や川崎を通る。
この横浜地区,多摩川の橋,世田谷駒沢付近,表参道から青山と首都圏でも有数の渋滞スポットが待ち受ける。
東京も神奈川も緊急事態宣言下にあるが昨春とちがって交通量は多い。
ナビに東名の渋滞表示はまだない。
「ホントにこれで246の方が早いんだろうか。」
多摩川を渡り,環八を越えてもスマホの経路は首都高へ案内しようとはしない。
三軒茶屋のインターを過ぎたあたりでようやくおかしいと思い始め,アプリの設定を確かめた
まじかー!!!!
渋谷…ここまで来ればもはや意地で下を行く。
永田町
桜田門
このあたりで246は20号線に吸収されて日本橋に向かう。
職場に着くと行程は46kmだった。
ただの46kmではない。混雑する平日の多摩川渡りに都心突破である。
もしも叔母が早く来てくれていなければ授業に間に合わないところだった。
おごれるものも久しからず。