OUR DAYS 2023年2023/4/25-30

4月26日/雨と筆

朝のしらべ荘は霧に包まれていた。夜半からの激しい雨が止まない。

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終日雨の予報である。ウォーキングも予定していたリサイクルセンター行きも中止を決めた。

ひたすら片付けの一日となる。ソフトケースの楽器に巻いていた緩衝材を解いているところに,段ボールを開けていたなおみが飛んで来た。

「布を整理していて大発見しちゃったー!!」

な,なんだなんだ(;^_^A

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「ほら!!」

「?」

「プーさんを裏から見ると…ね,ブーさん!!」

…あ,そ。

荷解きはおよそこんな感じである。

午後,ついに画材の段ボールが発掘された。

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ボクの買った筆に土田さんのお父さまの遺品として頂いた数倍の筆,さらに母の書道筆が加わって筆イメルダ夫人状態のボク。たぶん,今後20年描き続けても使い切れない。死後には大量の新品筆を遺すことになって,なおみを困らせることになろう。今から遺品の引き取り先を探しておかなければならない。雨は暗くなるまで強く降り続いた。

4月27日/DIYとピザ

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今朝から本格的なウォーキング

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東京と違ってコースの景色は多彩で飽きない。

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つい立ち止まってカメラを構えているとウォーキングにならない。

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先日,決めたボクの歩くコースではアルプスは見えない。

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一回り遠いなおみのジョギングコースまで下りようとすると,ちょうど登ってきたなおみに止められた。

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上り坂がきついからやめた方がいいとのことなので引き返した。

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雨上がりの朝,水滴が美しい。

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浅野さんからお誘いが来て,母はお出かけである。

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諏訪南インター近くのコンビニが待ち合わせ場所なので送った。本栖湖の芝桜を見に連れて行ってくださるそうだ。不燃物や粗大ごみをライフに満載して今日もリサイクルセンターに下りた。

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道を間違えて小さな集落に入ったが,何だか懐かしい家並がけっこう残っている。写生に行かないと…。

ホームセンターにも寄ったので昼近くになった。諏訪インター近くのショッピングモールでお昼を食べようとしたら,あんなにあったチェーン店の食べ物屋さんがほとんどなくなっていた。唯一残っていたココイチに入る。

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午後もなおみは猛然と働いている。庭のタンポポ抜きから二階の荷ほどき。

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ボクは疲れて昼寝をしてからこの作業に入る。流し下の収納の扉が外れていたのだ。蝶番のところが腐ってしまっている。数日前に取り外して金属部分のサビをやすりで落とした。

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何が苦手って言って,ボクはDIYが最も苦手である。腐った横木を新しくするために廃材から部品を作る。

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のこぎりもペンキも今日買ってきた。苦手でもDIYできないとこれからは暮らしていけないだろう。

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水性ペイント。今日の作業はここまで。明日二度塗りして,取り付けは明後日の予定である。

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母がお出かけしているので夕飯はピザ!!チーズが苦手な母を慮って,ふだんはチーズが食べられない。

ところがチーズの匂いが充満しているところに母が帰ってきた(笑)

4月28日/ギターと代掻き

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更地になっていた西隣の土地で地鎮祭があった。オーナーは真面目そうな若い夫婦でしゃれたお菓子を持って挨拶に来た。林がなくなってしまったのは残念だが新しい隣人がいい人たちでほっとした。

午後からはオーリスのキャリアベースに簡易ベッドを縛り付けて捨てに行った。他に古いスーツケースと椅子が二つ。

 

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「今日は何持って来たの?」

リサイクルセンターの受付のおじさんとなおみはすっかり顔見知りになった。

「あ,ちょっと待って。」

粗大ごみの計量を終えてなおみが車に戻ろうとするとおじさんに呼び止められた。

「すっぱいのあげるだ。」

差し出した手のひらに,塩トマトキャンディーをふたつ載せてもらった。

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柏木の方では早くも代掻きが始まっていた。

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昨日までの寒さが嘘のように汗ばむような陽気である。

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まだ部屋は片付いていないが,テレキャスターを取り出して少し練習した。

なおみにも少し楽器を触るように言った。何しろ,もう目に隈ができるほどひたすら片付けをしている。

4月29日/母と蒲公英と焼却炉

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移住して初めて母が一緒にウォーキングに出た。

「おふくろ,もう帰りかよ。」

往復500mくらいしか歩いていないが,歩かないよりはマシである。

今日はゴールデンウィークの初日らしい。朝からエコーラインの交通量があまりに激しいのでそれと知れた。

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斯く言うボクらも脛が痛くて歩くのがキツイ。どうやら原因は下り坂である。あんまり痛いからなおみが今日はボクと同じコースにすると言うので,一緒に歩くとペースが速い。あえぎあえぎようやく帰り着くと,驚いたことに母が朝食の支度をしていた。半年ぶりのことである。ウォーキングは心身ともに体によいようだ。

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朝食後にはこれも珍しくハガキを書き始めた。母が浅野さんと行った本栖湖の写真を絵はがきにプリントしておいてあげたのが効果を上げた。

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はす向かいの加藤さんに誘われて,パンさんまでお茶をしにでかけた。なおみが様子を見に行って撮った写真である。午後からはダイニングの引き出しの整理を始めた。母のやたらアクティブな日になった。明日は寝込むだろう(笑)

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片付けとタンポポ刈りと…なおみは今日もフル回転している。

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DIYの依頼が入る。家具の床に段差調整のために挟む板。

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続いて焼却炉作業。これで三度目だがリサイクルに出せない紙類がある。教室を移転してから20年間の子どもの成績表や面談記録である。山のようにある。束のままくべると燃え残るので,一枚一枚ずらしながら炉に入れていく。ほとんどすべての名前に記憶がある。ちゃらTやマナの成績表もある。全てが過去になってゆく。灰が溜まってきた。残りはまた後日。

「15分でいいから一緒にタンポポやってよ。」

と,なおみが言う。もっともなことである。作業は一人ですると辛いが二人だと楽しい。小鎌を取ってタンポポ刈りに加わった。毎日の片付けで全身が筋肉痛のため,庭での作業はなかなか思うにまかせない。

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 ハウスが建っていたところの地面を掃除してみた。なおみがここにモロッコインゲンを植えると言う。彼女は早くも田舎暮らしに順応しはじめている。ボクも鍬を振るうことになりそうである。

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額縁の写真リストを作ってなおみが片付け終えた屋根裏に収納した。これでアトリエ予定地のスペースが大幅に確保された。明日は雨なのでいよいよ画材に手をつけようと思う。

4月30日/雨降り

雨降りなればひたすら片付ける。なおみはかなり疲れているが性分で手が止められない。外に出られないのでせめてタンポポ抜きがないだけ休めるだろう。

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性格を自覚してか,片付けを中断するために昨日はパウンドケーキを焼いていた。焼きたてもうまかったが,一晩置くとしっとりと本来の甘さを醸す。

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午後,ついにピアノ回りの段ボールを開け始めた。

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久しく聴いていなかった音。

夕方,雨が上がって少々火燃し作業などしてから,仮縁を整備して片付けていた。空が夕焼けているのに気づくのが僅かに遅れた。

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遅かりし…。雨上がりに油断は禁物である。

母はキッチンの引き出しの整理をしていて体調を崩した。生来,片付けものが苦手であるが,猛然と働くなおみを見ていて何かしようと思うらしい。根をつめた。夕飯は要らないと言って寝ていたが,なおみの豚汁と焼き厚揚げを食べると少し元気になった。

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