OUR DAYS 2023年2023/5/1-9

5月1日/夏近し

週末は立夏,5月に入って,引っ越して10日余りが経過したことになる。もうひと月にも感じる。夜は冷え込んで朝露が美しい。

朝のうち,しらべ荘では曇っていても村まで下りると快晴ということはよくある。

ウォーキングは続いている。脛の痛みは二人とも解消してきた。

木が腐って外れ落ちていた流しの下の扉,取り外し,金属部の錆落とし,ペイント,木製部品の加工,ペイントとコツコツ作業してきていよいよ取り付けにこぎつけた。穴の位置は変えられないので固定部には一回り長いネジを使い,取り付けのボルト調整は試行錯誤。

じゃーん!!

この成功はもしかしてばぶる級のDYIではないだろうか。

夕方,なおみに呼ばれてタンポポ刈りを手伝う。他の雑草はともかく,タンポポはご近所に迷惑がかかるので放置できない。

タローの居場所は寝室に決まった。

 餌台,オヨフク,コロコロ,リード,リード掛け,ボール,ぬいぐるみ,おやつ箱…

 ハリー以外のぬいぐるみはピアノの横の出窓に落ち着いた。

山桜

例年だとソメイヨシノが満開になる頃,今年はすでに散って山桜の季節となっている。

朝いちばんにオーリスの屋根に粗大ごみを括り付け,不燃物を満載にしてリサイクルセンターに行った。もはやゴミ捨てが趣味になっている。親しくなった受付のおじさんが手続きや計量の回数が減るように便宜を図ってくれる。すいていたので今日は第二陣で布団などを可燃ごみセンターに運ぶことにした。リサイクルセンターと可燃ごみセンターはごく近くにある。家までとんぼ返りするついでに,パンさんの小麦まんじゅうをリサイクルセンターの受付のおじさんに差し入れした。先日,飴をもらったお礼である。

いつの間にかエコーラインとビーナスラインが渡辺製麺のところで直結されていた。道理で最近,エコーラインの交通量が多いわけだ。せっかくだから直売所に寄って乾麺とそばかりんとうを買う。そんなこんなのんびりしている場合ではなかった。

すいていたのは朝いちばんだったからで,どうやら考えることはみな同じである。連休前半を大掃除にあてたらしき家庭の車がリサイクルセンターにも可燃ごみセンターにも長蛇の列を作っていた。

ずいぶんと時間がかかったが,布団や梱包に使ったカーテンの他にタンポポの袋を4つも捨てられた。

快晴。

なおみがマロンのお墓の草取りをして母を誘った。庭はでこぼこがあるのでもう自力では歩けない。

夕方,なおみに呼ばれて庭仕事。今日は畑の予定地の草取りである。なおみは東京にいるうちから本を買って読み,pH測定器も購入済みである。適応力抜群である。ボクは乗り気ではないが手伝わないわけにもいかない。

ハウスを建てていた三畳間ほどのスペースの草を手抜きした。賭けてもいいが明日は手首が痛くて絵筆は握れないだろう。

5月3日/虫とヤマネ

起きたときの気温が2度だった。ぶるぶる。ボクたちにはたった2票の力しかないけれど,憲法を守りたいと改めて思う朝。

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信毎にしてよかったなぁ。若いのにジャーナリストらしい名文だと思う。

ウォーキングコースは東京からの移住者の家が多い。こんな看板を通りに面した庭に掲げている家がけっこうある。

山桜と花桃と…茂みには木瓜の花が満開になっている。写真映えするのはどれかなと,あちこち撮りながら帰ってきたがウチの木瓜がいちばんキレイだった。

富士見の薬局でバルサンを買って天井裏を中心に焚いた。カマドウマとヤマネの侵入に困っている。バルサン中は母を伴って茅野の町に避難した。ランチしたり買い物したりして時間をつぶす。

さて屋内への侵入経路として最も可能性があるのが,風呂場の換気扇。ホームセンターで買ってきた網戸用の網を通風孔の内側に貼り付ける。湿気のある場所でしかも風が逆に吹くのでガムテープではどうかと思うがプラスチック製のカバーには大規模な固定装置が使えない。しかも相手が虫なので僅かな隙間も残せない。額装の要領でテープを小さく切って使ってみた。ワンシーズンで張り替えが必要だと思われるが,こちらピタリと侵入が止まったようだ。

続いてダウンライトの隙間。電球に網やアルミ箔でエリマキトカゲのようにカバーをつけようと試行錯誤したが,それぞれ発火と漏電のリスクを考えてやめた。電球を取り付けた状態で周りにアルミ箔を詰めてみると効果があった。これは抜本的にはダウンライトそのものを密封型に変える必要がある。

1日にほんの10分ほど屋根裏を走る廻る小動物。二階の床や巻き小屋で目撃したことがあるのでヤマネと思われる。こちらは天然記念物なので簡単に駆除と言うわけにはいかない。外回りをずいぶんと点検したが侵入経路は分からない。ヤマネが遊びに入る程度ならいいが,それを追ってハクビシンなどの侵入を招くと大惨事となろう。専門家に依頼して経路を特定してもらう必要がある。

ボクが慣れないDIYをしている間になおみは畑に畝を切っていた。もちろん,DIY以上に慣れない作業である。

なにやらのぞき込んでいる。

東京にいる間に購入したpH測定器。なんと土の状態は野菜に最適値を示している。

そのあと二人で風呂場の掃除をして水道管の熱線の電気を切って回った。

立夏過ぎて,まさかもう氷点下になることはないだろう。

5月4日/村境

原村から富士見に向かうお気に入りの道です。

土を買う

今日も快晴の朝。ウォーキングコースをちょっと外れてみた。

母の体調が悪いので予定していたラベンダーの植え付けは明日に順延して,またリサイクルセンターに出かけた。

予め分別しておくものや廻る順番など熟練して,ゴミ捨てのプロになってきた。

茅野まで下りたときはホームセンターなど他の用にも回る。

自分の人生で土を買うことがあるとは思ってもみなかった。人は変わる。

用足しのお出かけだが,東京と違って往復の道は夢のような美しい景色の中である。今日は帰り道をちょっと変えてみるとこんな懐かしい風景に出会った。玉石垣が現役である。

ホントはどちらか一人でも十分に足りるが原則別行動はしない。

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村の田んぼに水が入ってサギが集まるようになった。

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もう泥の中に虫がいるのだろうか。

ジュンさんのコメント
「ダイサギ」の目元がブルーの婚姻色になっていますね。 嘴が黄色から黒に変わり、背中には飾り羽。 こちらで見かけるサギも目元が青くなっています。

買ってきた培養土をさっそく畑に鋤きこんでいる。夕方からはボクも手伝いに呼ばれる。

結局,300本を超えるカセットテープのほとんどを処分することにした。紙のジャケットに細かい字で曲名などがびっしり書き込まれている。デジタル時代の到来など予想だにしなかった頃が懐かしい。

東京の家,教室,そしてしらべ荘にあった文房具を集めると段ボールいっぱい,とても生きている間に使える量ではない。梱包して地下室に保管することにした。これから文房具が必要なときはお店ではなく地下室に行くことになる。

5月5日/弱ったね

朝,しらべ荘は晴れていたのにウォーキングコースの途中が霧だった。村は晴れているだろう。この標高だけ霧が出るのは珍しい。

フェミニンな帽子…っていうかモロに婦人もの。アタマが大きいので入る帽子がない。意外と思われるかもしれないが,髪をアップにすることを想定している女性用は男性用よりずっと大きい。だからボクの帽子はいつも婦人ものである。

母が買ったラベンダーの苗を植える作業。

素早い連係プレーで終了。

シュウメイギクの枯れた地上部分を始末するとずいぶん植え込みがすっきりした。

休憩タイム。

5月6日

お客さま第一号として,今年中3のアンネたちが来る予定だったが,雨の予報なのでキャンセルさせた。結果的には夜まで天気はもった。彼女たちは卒業まで見てあげられなかった子たちなので,どうしても招待したかった。連絡をもらって客間を先に片づけて泊まれるようにしたのに残念だった。6月に延期になった。

5月7日

雨の午前中,母はすることがない。なおみが会社の書類の整理を一緒にしてもらうよう頼んだ。何か仕事を頼むのは大事だと思われる。首尾よく張り切ってやっていた。

雨の上がった午後は突然朝顔を植えると言い出した。急遽,なおみが富士見のJAまでプランターを買いに行って植えた。

その夜のことである。一緒にアマプラの「ゴロ~」を見ながら夕食を食べた。大河ドラマは母しか見ていないので,見られるようにテレビをNHKにセットして,ボクは絵本の仕事に,なおみは2階の片付けに行った。大河ドラマが終わったところで急にわめきだした。なおみがびっくりして部屋まで飛んでいくと,もうパニックになっていた。「東京で一人で暮らす」と言う。どうやら,テレビを見ているうちにボクたちが仕事に散ったことを忘れてしまったらしい。ドラマが終わって振り向くと誰もいない。

「こんなの家族と言わない!!」

…と怒っている。一種の病気だから仕方がない。同じようなことがたまっていたのだろう。かろうじて庭仕事の指示には出てくるが,それ以外,手芸や荷物の整理などをするようになおみが誘導するが「やる気が出ない」とテレビばかり見ている。どうしても一人にしてボクらは片付けや粗大ごみ捨てなどをすることが多かった。東京に行くという決意は固いようだ。こんなこともあろうかと,弟と相談して東京の家は住める状態にしてある。弟に電話して事情を話し,翌朝早くの高速バスで東京へ送り出した。バス停まで送らせる家出というのもあまり聞かない。

今に始まったことではない。2月には受験シーズン真っただ中にいきなり九州の従兄の家に行ってしまった。このタイヘンさは介護している当事者にしか分からない。経験のない人はたいてい母に同情する。献身的に尽くすなおみは人には鬼嫁と思われているだろう。

5月8日/石油買う

昼過ぎから猛烈に冷え込んできた。石油タンクがエンプティを下回っている。11月からずっと留守だったので業者も気づいていない。電話しようしたが母がいないので業者がわからない。検索してリストアップした近くの業者に「ウチの業者さんではないですか?」と間抜けな電話を片っ端からかけてみたが見つからない。仕方がないのでそのうちの一軒に依頼して給油に来てもらった。

夜はしんしんと冷えた。給油しておいて正解だった。母は弟にあちこち連れて行ってもらって機嫌が直ったようだ。盛んにLINEが入ってくる。こうなるとしばらく東京にいてもらった方がなおみが休めていい。母がいないとテレビをつけないのでやたらと静かである。

5月9日/インターネットの契約を見直す

ウォーキングに行こうと外に出ると一面霜が下りていた。ゆうべ寒かったわけだ。立夏を過ぎている。ボクは残っている絵本の仕事をしなくてはならない。ところがしらべ荘のインターネットが遅い。CATVに問い合わせると20年前に契約した10Mbpsのままであることが分かった。編集部に原稿を送るだけで1枚15分くらいかかる。それは待てばいいことだが,問題はデジタル作画するiPad Pro とPCとの画像のやり取りが同じように時間がかかってなかなか進まないことだ。CATVの現在のひかり契約は50M,500M,1ギガなどのコースがあり,どのコースを選んでも今の10M契約よりも安い。これまで一度も案内がなかったのはどうかと思う。工事を発注しているが絵本の仕事には間に合わないようだ。

午後,なおみから徴農令が出て,庭仕事を手伝った。先日土を買ってきて畑に鋤きこんだがブログを読んだ名人たちから相次いでダメだしのコメントが入った。改めて有機肥料を鋤きこむことにした。

庭を探すと牛糞の袋が置いてあるところがしらべ荘の庭の不思議なところである。たぶんおととし頃,母が庭仕事の現役で購入したものと思われる。庭のあちこちに運んで置いたのはボクである。

鼻が曲がりそうである。袋や農具をホースのシャワーでキレイにするのも一苦労,野菜作りのタイヘンさを早くも学んだ。

「次からは顆粒のにしようかな。」

と,なおみ。そうしようそうしよう。

母からLINEは来るがまだ帰るとい報せはない。弟もそうそう休みは取れないし,母も近々ギブアップするだろう。何度かするうちには落ち着くだろう。

なおみのがんばりで荷物の片づけは目処が立ってきたが,ボクは絵本の最終締め切りが近い。ところが引っ越しの間,絵をぜんぜん描けないでいた。風景画など描きながら慣らしているがなかなかカンが戻らずに困っている。なかなか山暮らしをのんびり過ごす日は遠そうである。

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