6月9日/クッキーを焼く
雨。なおみは明日のお客さんのためにクッキーを焼く。
おやつはハーゲンダッツに伊豆のわさびをすりおろして自家製わさびソフト。
東京に行っている母から梅が届いた。
梅ジャムもひとつ作る。
チェロの練習に夢中で夕焼けに気づかないシュウ。
6月10日/桜を剪定する
三島からC氏とMちゃん夫妻到着。
さっそく母に頼まれた桜の剪定に登る。
母もなおみもサクラの木につくヤドリギが気に入らない。
ヤドリギ3個退治完了。
その後も夫婦でひたすら庭仕事してくれる。
お昼は天才+なおみの合作タコライス&シリシリ。
マキタの充電式ノコギリがあまりにも便利なので,なおみのおもちゃと化した。
雨が来そうなのでそろそろ上がりましょう。
大物のアオリイカが釣れる条件,太刀魚の釣り方,真鯛が釣れちゃったときの話…オチそうになっているシュウ。
夕方,ボクが母を富士見のバス停まで迎えに行く間になおみがグリコのゼッピンでカレーを作った。
お客さんは渋滞を避けて遅い出発にしたので母も会うことができた。
6月10日/社長の最後の仕事
朝,庭の奥にまた鹿が現れてしきりにこちらの様子を窺っている。
うっすら美しいかの子模様があるけれど体が大きいので夏毛の母鹿だろうか。今日はバンビを連れていない。森の中で,
「ママが様子を見てくるからあんたは待ってなさい。」
…という感じかな。
東京都には収入が少ない家庭の受験生に対して塾代を補助する「チャレンジ支援」という制度がある。受給には塾長の申込書や納入証明書が必要になる。制度を利用した昨年度の受験生の納入が遅れていて今月になった。実は先日,大雨警報の中を下諏訪にある銀行の支店まで下りたのはその入金の確認だった。江東区から届いた納入証明などの書類を今日記入して郵送した。手が勝手に動くほど何百と書いて来た社長や塾長としての署名のこれが書き納めだろう。書類には社長よりちょっと偉い秘書兼会長が目を通し,捺印して投函した。二人と一匹のまるで会社ごっこのような長い長い会社経営が終わった。
6月13日/梅雨の晴れ間
雨が上がった。雨と松本行などのために朝のウォーキングは久しぶりである。一週間ほど見ないうちに周囲の畑の作物は一気に大きくなっていた。特にセロリが成長著しい。村の特産で村人は「セルリー」と英語発音に近い呼び方をする。でも村のマスコットはセルリーではなくセロリくんでコミュニティバスはセロリン号である。
ヤマボウシがようやく満開になってきた。
雑草扱いのマーガレットも元気に咲いている。
梅雨の貴重な晴れ間,なおみは正面のモミジを剪定しているようだ。ボクは流しの下のパッキンを交換しようと試みたが失敗に終わった。先日ホームセンターで買ったパッキンが合わないようだ。
今度は慎重に測ってネット注文した。これで合わなければ自力修理はあきらめよう。DIYはなかなか奥が深い。
雨の間にドレミ農園の雑草が一気に増えた。外のシナノギシギシも突然のように伸びた。シカが現れるのもギシギシの茂みである。次の晴れ間にはこれを刈って,シカが近づきにくい雰囲気を作らなければならない。
サクラを剪定するときに一番大きな梯子を使おうとすると,機械部に枯葉が詰まってしまってなかなか動かなかった。ブルーシートでくるんで仕舞おうと思ったが,どうやらブルーシートは村のゴミとして出せないらしい。便利だからと買うと始末に困りそうである。さて,何で包むか。悩ましいところ。
庭にニッコウキスゲが盛大に咲き出した。雑草との区別が難しいエリアで自然競争に任せておいたがどうやら勝利したようだ。
ブルーベリーの木に実がたくさんついていた。これは鳥避けのネットが必要である。
…しらべ荘だよりがブログと言うより備忘録となってきた。
夕方からまた雨の予報である。今日はタローの月命日。
買い物に下りたなおみが写す。
6月15日/ペットボトルのイルカ発売!!
ボクが絵を描かせてもらった絵本「ペットボトルのイルカ」がいよいよ6月23日に発売されます。空を泳ぐかわいいイルカのお話です。もしよかったらご購入ください。お近くの書店にないときはご注文頂けます。Amazonでも売っています。東京にはなおみとボクで臨時店舗を出します。会いに来てください。
6月15日/なおみ,オケの初練習に行く
雨は上がったが霧の深い朝,ウォーキングで通る9条通りはレースフラワーとマーガレットで美しく埋まっていた。9条通りはボクが名付けた。知識人が多く,庭の通りに面した場所に9条の全文を掲示した看板を立てている家が3件もある。
庭の真ん中の通路脇に紫色の美しい花が咲いた。ジュウニヒトエではないかと思われるが,そのうちにジュンさんがご覧になったら教えてくれるだろう。
菜園の手入れに余念ないなおみ
「見て見て」
と言うので覗くと,おそろしいほど小さなキュウリが成っていた。
母の体調がよく,なおみが鍬をふるって耕してあげたところに自分で花の苗を植えている。
「むつみさん(義母)はもうアメリカから帰ったかしら。」
「母はアメリカとボリビアに行って4月の終わりに帰りました。」
「ホント?」
「お母さんはアルパカの毛で織ったショールをお土産にもらいましたよ。」
「あら」
「お母さん,LINEを開けてください。」
そう言って母が義母に送ったお礼のLINEに添えられたショールの写真を見せる。
「ほらね」
「ホントだ。忘れん坊になって困るね。」
よくある物忘れのやりとりと思われるだろう。だがこの会話はかれこれ10数回繰り返されている。その都度,なおみは根気よく同じ対応を続いている。ボクは辛抱が続かない。肉親だからかもしれない。なおみに窘められているので母を諭すことはしないが,どうしても笑顔が作れない。
ボクの庭仕事はここのところ専ら廃品の処理である。毎日,全く違う作業をするので,常に全身の筋肉痛に悩まされている。
夕方からまた雨になった。なおみは諏訪響の練習に初参加するために出かけなければならない。練習場は上諏訪。夕方は甲州街道が混雑するので,びゅんびゅんコース(上川沿いの自動車専用道)を行かなくてはならない。
「あんた,送迎するんじゃなかったの!?」
母が心配して言う。こんなに「まとも」なときも間々ある。だが上諏訪まではボクが飛ばしても45分くらいかかる。入団すれば毎週のことなのでひとりで運転していく必要がある。
それになおみの運転は鍛えてある。6速マニュアルのオーリスを操るのはイマドキ男でもそうはいないだろう。
じたばたしても仕方ない。ボクはビールを開けてサッカーの代表戦を見た。これまでは仕事のためにリアルタイムで見ることは不可能だった。試合は6-0の一方的展開で日本代表が勝った。
缶ビール2本でぐでんぐでんになったところで試合終了。それから1時間くらいしてなおみが帰って来た。楽しそうに練習の様子を話す。
「ねえ,入ってもいい?」
そんなに楽しいなら聞くまでもないことだが,さて秋から仕事と両立して体が大丈夫か。ボクの心配はそこである。
6月16日/油彩道具を展開する
ウォーキングのとき青空なのはとても久しぶりの気がする。
X-S10を持って出たので,なおみのコースまで下りてみたが山には雲がかかっていた。
引っ越して以来,初めて油彩の道具を展開した。
母の新しい靴に絵を描くためである。
何でも先日,愚連隊と旅行に行ったときに買ったのだが,何人かで形も色も被ってしまったらしい。
「私のはわかるようにシュウに絵を描いてもらう。」
と先にLINEで言ってしまった。
どうやらとても気に入ってもらえたが,布製の靴なので絵具が落ちないか少々心配である。
ここのところボクが水彩のスランプにあえぐのを見かねて,なおみは
「しばらく油絵を描いたら?」
と言うが,どうにもやることだらけで時間が足りない。躊躇していたが道具のチェックだけでもできてよかった。
なおみは草取り。ボクは刈払機のエンジンをかけた。
奥の茂みからシカが現れる。かつて畑にしていたところで,今はシナノギシギシがはびこっている。
5メートルくらい離れたところのギシギシを残したのはボクの作戦である。わざとシカの近づきやすいところを残し,菜園の周りだけをのっぺりと平らに刈り上げる。シカに「何かある」と思わせる狙いだ。「何か」を警戒して菜園には近づけないだろう。
天気雨になった。二人とも作業途中で上がるしかなかった。朝,靴の絵ではしゃいでいた母は今日は庭仕事に出ようとしたところでダウンし寝込んでしまった。2日に一度は体調を崩している。仕方ないので二人で富士見に買い物に出た。二人なのでエンジンをかけて使うためにNBを出した。買い物は防鳥ネットとバジルの苗である。農協の駐車場にもNBがフィットし始めている。
SEIYUにも寄った。しらべ荘を建てた頃には近くの大きなスーパーはここしかなかった。いろいろな思い出もあるのでつぶれてほしくないが,駐車場に止まっている車は移住組や年配の別荘族が中心で地元の客は少ない。かく言うボクたちも年配の移住組である。
雨があがり,夕方,ギターの練習をしていると西の空が夕焼けしそうに光ってきたので,二人で村の田んぼまで下りてみた。
ヤマボウシ
夕焼けは期待外れだったが八ヶ岳が赤く染まって美しかった。