OUR DAYS 2023年2023/7/8-11

7月8日/マナ来訪

イリタマゴの動画撮影のとき,久しぶりに使ったX-E2の操作を忘れていることに気づいた。そこで今週はできるだけX-E2を使うことにした。

…サムレストとXF27mmのフロントキャップがなくなった。慣れないカメラは危険だ。撮影した画像から撮影場所を特定してあちこち探してみたが見つからない。

0801.jpg

とうとう水曜の朝にウォーキングした文化園も同じコースを歩きながら落ちていないか探しに行った。

「ここでこの花を撮ったからこのヘンにないかな。」
「あそこで小川を飛んで渡ったからあそこかもよ。」

捜索はけっこう楽しかったが成果はなかった。

0802.jpg

今日と明日,クラフト展というイベントが文化園で開催されるので早朝からテントが立ち並んでいる。あいにくの天気でかわいそうに,大雨にならなきゃいいけど。

ネパール風のカレーを小皿に取って味見…くぅー!なんて旨いんだろう。天才的だ。…天才だから仕方ない。今日は大切なお客さまが来るので美味しいものをたくさん作らなきゃ。

お客さんは雨女マナである。ずっと晴れていたのに今日明日だけ大雨の予報。九州や中国地方ではニュースにになるほどの豪雨になっているようだ。さすが雨女パワー全開。雨が降る前に着いたら霧ヶ峰に行こうと計画してたのに,首都高で道を間違えてずいぶんと予定より遅れている模様。

原のパーキングで待ち合わせて車山へ。

アサザ

これにはビックリ。白樺湖畔に未体験の光景が広がる。

アサザの群生とカルガモ母子

ミニレマン湖と名付けられた人工湖。

0803.jpg

長いドライブにぐずっていたケイちゃんも機嫌を取り戻す。

車山へ急ぐ。

…が,時すでに遅し。

ニッコウキスゲの群生地は暴風雨の中。みな早々に小屋まで撤退した。

だがボクには撤退できない理由あり。偶然,今朝の信毎に「ササの開花が確認された」という記事があった。この群生地の中にたくさん咲いているという。ずぶ濡れになりながら斜面を往復したが発見できず,あきらめて小屋に戻ると,

「あたし,見つけたよ。」

と,なおみが言うではないか。

「写メして小屋の人に見せたら間違いないって。」

マジかー!!

ドレミの案内で再び風雨の群生地に戻る。

ついに撮った。ササの花。

思えば5才のときである。ウルトラQを見て初めてササの花が珍しいことを知った。

(石坂浩二さんのナレーション)

その花が咲けば災いのしるし。つまり、とんでもない悪い大事件が起こる、と昔から言い伝えられているサザメダケに真っ白な花が咲いたときの話です。

0814.jpg

地底怪獣パゴス出現!!

ササの開花は48年周期。2年ほど前だったか日本中で一斉に開花のニュースがあったが,仕事が忙しくて見に出られなかった。念願だったササの花が見られて大満足したが,とんでもない悪い事件は起こって欲しくない。 

小屋で待っていたケイちゃんはママにヨーグルトを食べさせてもらっていた。

この子がお父さんの転勤先で生まれたとき,ボクたちは彦根まで会いに行った。もう1才半になる。

0857.jpg

ケイちゃんのために取っておいた熟れたブルーベリー

キュウリよりもママが使うハサミに興味津々である。

パンガシウスがどうしても手に入らなかったので,天才フィッシュアンドチップスはつるやの真鱈で作る。

なおみの十八番,セロリ&ピーナツバターとセロリのコンソメスープ

キュウリのディップには河津のワサビをすって加えてみた。右はダイヤ菊の純米辛口。

ネパール風のカレーにはソテーしたイカをトッピング。

驚いたのは母である。留守番している間に新聞の折り込み広告で紙飛行機を折っていた。

それを飛ばして一気にケイちゃんの心を掴んだ。

すっかり母になつくケイちゃん。

赤ちゃんがいると別人のようにしっかりしている母だがケイちゃんが寝てしまうと,今さっきお茶を淹れたことを忘れてしまう。

…不思議だ。

7月9日/王女さまのお帰り

0901.jpg

どこに行ってもそこが世界の中心。それが赤ちゃん。

0902.jpg

マナたちはたてしな農園で買い物して,文化園のクラフト市に行って,それから昼過ぎに東京に向かった。

予報は雨,福岡や山口では被害者が出るほどの大雨なのに,一家が出かけるときだけ雨が降らず,ときには青空が覗いていた。天気のせいで昼に出ても渋滞なしで東京まで帰れたそうだ。日ごろの行いがよっぽどいいのだろう。

0903.jpg

なおみがオケの練習に午前中から出かけたのでボクひとりだった。なおみがいないと天才シュウのパワーは半減する。

ところでクラフト市。

0904.jpg

マナとゆうたくん(ご主人)はパンフレットを熟読して,いく店をリストアップ。地図上に赤丸をつけて出かけて行った。そんな人たちを初めて見た。クラフト市なんて誰が買いに来るのだろうと不思議だったが会場は車があふれていた。よし,来年は「アトリエシュナ」で出店しよう。

7月10日/なおみ叫ぶ

1001.jpg

今日は北の畑地にウォーキングに出てみた。

役所さんの家の方,朝日が眩しい。

ここはしらべ荘の土地を買う前,ボクたちが初めて原村に来たときに夕日を待った思い出の場所。

しらべ荘を建てたとき回りには家は一軒しかなかったが,今は4軒になり,5軒目が隣に建設中である。

ネット注文してあったサーバーとドリッパーが届いた。これからはコーヒーを淹れるのにメーカーを使わず,わざと時間をかけようと思う。

午前中,なおみがいろいろな用で茅野に下りるので,助手席に乗って通り道の床屋に行ってみた。

20代の理容師との会話

眉毛が黒いんだけど,何色で白髪染めしたらいいだろう。

「アッシュグレーっすね。」

なるほど。ありがとう。

「で,同じ色の毛染めシャンプーを使うと長持ちするっす。ドンキで買ってください。安いっす。」

ドンキなんてあるの?

「前宮のソバっす。お客さん,引っ越してきたばかりっすよね。前宮わかります?本宮じゃなくて。」

中略

原村は住みやすいね。

「信州ブランドっすから。」

信州はブランドなの?

「ブランドっす。オレは信州って言い方キライっすけど。長野ですよね。」

ふーん。長野って北信の地名じゃん?中信や南信じゃ違和感あるんじゃない?

「ないっす。イマドキこだわりないっす。おんなじ人間っすから。こだわるのはおかしいっす。」

そうなんだ。

中略

このへんは盆地だから気温も上がるね。

「ヤバいっす。甲府も盆地だから甲府,ヤバいっす。」

「霧ヶ峰なんて涼しいっす。なにしろエアコンの名前になってるくらいっすから。霧ヶ峰わかります?」

ああ,ちょうど土曜日に行ったんだ。土砂降りの中。

「まじすか」

ボクとしてはちょっと面白がっていじってるつもりなのだが,本人にはいじられてるという感覚は全くない。明日が休みだと言う。山好きな彼女を誘って霧ヶ峰に行くようけしかけた。ニッコウキスゲの名前の由来やら大門峠の歴史やらササの開花周期などさりげなく彼女と話すときの話題にする予備知識を教えてあげた。次もこの床屋に行って,成果を聞いてみようと思う。さんざん楽しませてもらって,散髪代は60才以上の割引があるそうで1260円だった。

午後,畑の手入れに行ったなおみが絹を割くようなと言うか,カエルが踏まれたようなと言うべきか,ともかく激しい悲鳴をあげた。畑の前にヘビが横たわっていたそうだ。鹿とちがってヘビなら,あの声を聞いたらもう二度と近づかないだろう。

冷凍の潮鮭も天才がバターソテーすると異次元の旨さである。ソースの隠し味ははなおみの梅ジャム,散らした葉っぱはシュウハーブ園のイタリアンパセリ。注目は左上の麦茶。夕食のときにワインや日本酒を飲むとすぐに眠くなって1時間ほども居眠りしてしまう。もともと塾ではもっともハイテンションで仕事をした時間帯である。もったいないので晩酌の方をやめることにした。これで夕食後に絵やPC作業ができる。

7月11日/サンドイッチ

1101.jpg

前の晩にパンを焼きながら,あしたの朝ご飯はお母さんを連れてドライブして食べましょうとなおみが言う。

1102.jpg

車山に行くことにした。マナたちに晴れたらもう一度行って写真を撮って送ってあげると約束していたから。

土曜日は霧と風雨の中だった富士見展望広場。

なおみがニッコウキスゲの群落を見せようと母を抱くようにして階段を登る。

満開だった。

霧ヶ峰に着くと「ここにしましょう」とベンチを見つけてサンドイッチを作る。

こんなにうまいパンを食べたことがない。

参ったな…,なおみには参ったな。

NEXT