OUR DAYS2017年2017/7/11

もう一度,いっしょに飲みたかったね。

半夏抄「オークスと花束」松江で幡ヶ谷で飲んだくれる。

日々の記録「90才の伯父を見舞う」樺太抑留の思い出を語る。

四国旅行初日」高知で飲んだくれる。

訃報が届いたのは先週のこと,98才だった。

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ボクが物心ついたときからスキンヘッドだった。40代でつるつるだったことになる。

笑顔しかみたことがない。なおみの一番の飲み友だちだった。

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棺には馬券がたくさん納められてみんなの笑いを誘ったが,同じ数ほど母が宛てたハガキや手紙があった。

姑,小姑の辛辣な嫁いびりに泣いた母のたった一人の味方だった。

何度もこっそり銀座の不二家に呼んで,母の愚痴を聞き慰めてくれた。

が,表立ったことはしない人だった。

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千駄ヶ谷の生まれで,眉唾の武勇伝もよく酒の時に聞いた。

馴染みの酒屋も四ツ谷にあって,ボクたちはその店に寄ってお供えする大吟醸を買ってきた。

亡くなってから持ってきても仕方ない。もう一度,ご一緒すればよかった。

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98才である。全体的に大往生を穏やかに送る雰囲気の中,一人号泣していたのはなおみである。

母は棺を閉じるとき「お義兄さん,ありがとう」と叫んだ。

梅雨なのに信じられないほど暑い日だった。

伯父さん,さようなら。

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