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2017年12月の記事は以下のとおりです。

花影

  • 2017/12/31 11:46

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こんなにたくさんの花を頂きました。 自宅に花を送ってくださった方は,タロー行進曲をご覧いただいていた方が多いです。タローと一度しか会ってない方,実際に会ったことのない方からも花や心のこもった贈り物を頂きました。 ボクたちはタローと会いたいと言ってくださる方がいればうれしくて北海道にも九州にも会いに行きました。いくらネット上で人気でもタローにはわかりませんからね。実際に会っていい子してもらうとホントにホントに嬉しそうでした。タローの知り合いは全国にいます。

「タロー行進曲」はもう暫く更新を続けます。まだ,整理していない写真や動画がたくさんあります。思い出しながら「写真集」もリニューアルしていくつもりです。「日々の記録」はごちゃまぜんお日記になっているのをタローに関係のある記事とそうでないものを分けて整理するつもりです。どうぞ引き続きごひいきに願います。

今日は出勤のとき雪がちらつきました。ボクは「この雪じゃ,タロー的には雨判定だろうね。」と笑いました。助手席のなおみは同じことを思い出してか嗚咽していました。講習が終わったら遺骨を抱いて雪国へ連れて行ってやろうと思います。

今年もお世話になりました。犬を亡くしてのことなのでタイヘン失礼で申し訳なく存じますが年始のご挨拶は欠礼させていただきます。みなさまにおかれましてはどうぞどうぞよい年をお迎えくださいますよう心よりお祈り申し上げます。  

タロ散

  • 2017/12/28 09:42

ボクらの教室は卒業生がよく訪ねて来る。進学や就職の報告やときには恋ばな,旅行に行ったお土産を持ってなどなど。中でもいちばんうれしいのは悩んでいるときや苦しいときに思いだして相談に来てくれることだ。

タローが死んだ前の日にマリコは来た。タローは転げて喜び歓迎した。ボクの教え子の中でも屈指の才媛である。難関校に涙の合格を果たし抱き合って別れてから三年が経っていた。やつれていた。フルメイクした顔にマスクをかけ、コートのフードを目深に被っていた。お茶もジュースもお菓子も受けつけないと言うのでボクのとっておきのさんぴん茶を開けて出してあげた。ぽつぽつと語り出した。ふとしたことから高校生活に適応できなくなって,拒食症と嘔吐型過食を繰り返し,やがて対人恐怖症にまで陥り2年近く引きこもっているという。苦しい中でよくボクたちのところにきてくれた。泣きながらでも自己分析しながら訥々と経過を語るマリコは変わらず聡明だった。

ある日、本を読んでいていくら文字を追っても意味が分からなくなったと言う。

「アタシってそれだけは絶対だったじゃないですか」

そう、マリコの国語力は絶対だった。入試問題を解いていてときには教えているボクを凌駕する解答を書いたものだ。

「それが意味がわからなくなって,あ,これはアタシもうだめかなーって…」

その辛さは一緒に勉強したボクならでは分かるのだ。それからふと手に取ったマンガの意味がわかったことから,絵が好きだったことを思いだし,美大受験を目指すことで立ち直ろうとしている。もがき苦しむ中でよくぞ頑張った。しかも知性で乗り切ろうとしている。ボクはマリコを教えたことを誇らしく思った。マリコはさんぴん茶を半分ほど飲みながらたくさんたくさん話した。ボクたちはカウンセリングの専門家ではないから話を聞いてあげることしかできない。最後の仕上げは「一緒にタロ散」である。マナが失恋したときもハルカが部活に悩んだときもタロ散で元気を取り戻した。

タローは尻尾を高く振りながら,なおみとマリコを従えて公園の坂道に出かけて行った。タローの公的な最後の仕事だった。マリコはその日からめきめき回復し,食事も体調も徐々に戻り始めた。今は…

今は教室の冬の講習を手伝っている。丸つけをしたり,女の子たちの数学の質問を受けたりしている。そして見違えるほど元気になった。タローの訃報を聞いて駆けつけたときに仕事を頼んだのだ。マリコ自身が受験生なのだからアルバイトさせるのはどうかとも思った。けれどもどうしても手元に置いて回復を手助けしたかった。マリコが元気になることはボクがタローから引き継いだタローの最後の仕事の達成でもある。

教室は冬の講習に入って大忙し。ボクらも悲しんでいるゆとりがない。今日も間もなくマリコが笑顔で出勤して来るだろう。

最後のおかえりなさい

  • 2017/12/27 09:17

タローはどうしてボクの帰宅をあんなに喜んだのだろう。

帰宅と言ってもほとんど24時間一緒に暮らしていたのだからジムや歯医者に行くとか誰かと会食するとかせいぜい1,2時間のことなのに…。帰宅するたび5回も10回もジャンプして迎える。仰向けに寝転び手を甘噛みしながらバタバタと尻尾で床にたたいて喜ばれる状況を果たしてリアルにご想像できるだろうか。もみくちゃにされるのでオシャレして出かけた日などは玄関で服を脱いでから家に突入しなければならなかった。

死んだ日の朝もジムから帰るとよろよろとハウスを出てボクの許へやってきた。座って手を広げた腿の間にぺたりと腹這いになり尻尾をパタパタとさせた。心室がほとんど動いていなかったのだからどんなにか辛かったろう。嬉しくて興奮すればなおさらのこと…。それでもおかえりなさいをして力なく立ち上がってハウスへ戻った。

よしよしと両頬や耳のうしろを撫でてやったその心地よい感触が今も掌に残っている。

幸福な日々の終わり

  • 2017/12/25 16:54

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タローが10才の誕生日を迎えた頃から、人に心配される毎

「もうここまで生きてくれたのだからいつでも覚悟はできてるよ。」

と嘯いていた。今にして大嘘だったことが分かった。覚悟どころか幸福な日々が永遠に続くものだと思っていたらしい。梯子をいきなり外されたようにふわふわと実感のないまま、胸をヤスリで削られるような悲しみが襲ってくる。それに耐えようと何をしようとボクたちを待つのは、タローのいない朝、タローのいない職場、タローのいない旅である。日常であった幸福は突然終わり,もう来ない。かわいかったな。誇らしかったな。ボクらはつい10日前まで愛らしいゴールデンレトリバーを飼っていたのだ。仕事が忙しくてよかった。母がいる時期でよかった。ボクらはまだ二人きりになるとめそめそ泣いて暮らしています。

 

 

小さな奇跡

  • 2017/12/24 19:44

ここ2,3年狭窄症が悪化してからボクは重いものを持ったことがなかった。ことに今春手術してからは真っ直ぐ立つことすら難しい日々が続いていた。力仕事はすべてなおみがしていた。

タローの火葬には葬儀社の車が家の前まで来てくれることになっていたが,問題はその車までは飼い主が運ばなければならないことだった。タローは全盛期よりは5kgほど痩せたが29kgあった。なおみと母では運ぶことができない。ハウスごと三人で吊って運ぼう。どうしてもムリなら葬儀社の人に助けてもらおうと前夜泣きながら話し合った。

眠れぬその夜にボクは「どうしても最後に父親らしくタローを抱いて送りたい」と強く強く思った。果たして翌朝,起きたときから腰の痛みをほとんど感じなかった。そして30kgの遺体はボクの腕の中でスッと持ち上がった。すたすたと車まで歩けた。タローを送り出した後,直立して前屈運動して見せた。母もなおみも驚いた。もちろんボクも驚いた。痛みが完全に消えたわけではないが前日までは3分立っているのがやっとだったのだ。明らかにステージが変わった。

「タローが痛みを持って行ったんだ。」

母はそう言って泣きじゃくった。ボクは科学的人間なのでそうは思わないことにした。ボクの手術は完全に成功していてCTやMRIを精査しても神経への圧迫はない。だから鋭い痛みや足の痺れは神経と中枢神経の錯誤に依るところが大きい。そこへタローを抱き上げたいと言う強いメンタルの働きがあった。神経系に作用したとしても不思議はないだろう。

ボクは定期検診の際に主治医に事態を正直に話した。学部長は真剣に話を聞き,それから診察台で右脚を回したり,腰を触診したりした。そしてこともなげに言った。

「愛犬が痛みを持って行ったんだな。」

この診断は狭窄症の権威たるN大医学部の学部長によるものである。

「今日は注射はなしだ。来年早くにまた様子を教えに来なさい。」

ボクは教室の掃除に復帰し,簡単な料理をできるようになり,弔問客の応対に5分も10分も立っていられるようになった。だけど…

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だけど,タロー。パパは歩けなくてもいいからお前にあと半年生きていて欲しかったよ。

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オシゴト

  • 2017/12/24 08:19

タローが死んだ日の朝まで毎日続けた仕事…それは「シュウ起こして」である。

朝,なおみが起きてコーヒーを淹れる。それからタローを起こして声をかける。

「タロー,シュウ起こして!」

タローはちゃっちゃかちゃっちゃか(フローリングに爪の当たる音)ベッドの脇までやってきて尻尾をぶんぶん振りながら首を寝ているボクの方へ伸ばす。ぐずぐずと起きないボクもとうとうここで体を起こし,タローの耳の後ろや顎や胸をなでる。

「タロー,グーッド」

タローは嬉しくなってスリッパを咥えて小躍りする。子犬のときから習慣になっていた。

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こちらはオシゴトと呼べるかどうかわからないが,やはり数日前まで続けていたのがその名も「オシゴト」

ボクたちが風呂に入るとちゃっちゃかちゃっちゃかやって来て脱衣所にドスンと侍る。小さい頃に一人になるのが寂しくて来て以来の習慣である。ボクたちが頭や体を洗う間ずっとすねたように寝そべっていた。そして湯に浸かって戸を開けると頭を浴室につっこんできて蛇口からうまそうに水を飲むこともあった。湯から上がったところでなおみをスルーし,ボクの足をペロペロとなめるのが「オシゴト」である。これも子犬のときに奨励したため習慣になったのだろう。

「オヨフク」は晩年,いちばん最後に覚えたオシゴトである。

車の乗り降りが危なっかしくなってからお出かけのときは胴輪をつけることになった。なぜかテーマ曲になったTBSのスポーツマーチを歌いながら床に胴輪を広げると,嬉しそうにやってきて片方ずつ前足を入れる。母が「たんたんたかたか」と名付けた。こちらはちゃんと着終わったところでもらえるチーズが目当てである。その様子を見ていたマロンが歌っている間,ボクとタローの周りをくるくる回りながら鼻でつんつんする芸を始め,ちゃっかりチーズの分け前に預かるようになった。こういうクリエイティブな思考力については柴犬のマロンの方がずいぶんと上手である。

「タロー,来ないね。」

湯舟でなおみがつぶやく。耳をすませてもタローはもう二度とやってこない。でもときどき脱衣所で気配のすることがある。

SILENT NIGHT

  • 2017/12/24 00:46

出さず仕舞いの年賀状

  • 2017/12/23 10:30

はしゃいではしゃいで年賀はがきの発売前にもう完成していた年賀状。

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こちら別バージョン

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140枚も印刷しちゃって,全部普通ハガキに交換しました。

死んだのは犬なのでとても失礼だと思うのですが,申し訳ありません!

今年,年始のご挨拶を欠礼させていただきます。

↓こちらはもう発送済だった教室のお知らせのトップ写真

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来月からはどうしよう。

パン

  • 2017/12/22 19:09

ボクらはまだパンが食べられない。 厳密に言うとチョコレートやクリームの入った菓子パンは食べられるが,ふつうの朝食の食パンやロールパンが喉を通らない。 タローはパンが好きだった。なおみが好きだから。端っこをもらうのに根気よくボクの横にじっと立っていた。ボクはいつも最後の一切れにジャムやチーズクリームをたっぷりと塗り、それを二つに千切ってジャムの多い方をタローの口に入れてやった。だからまだパンが食べられない。

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チーズは試していない。タローの一番の好物だった。子犬のときなおみが最初に与えたオヤツだったからだ。どんなサイズでも一飲みにしてしまうので、それでは味わえないだろうとボクはチーズのかたまりを小指の先ほどの大きさに千切って与えた。前歯でボクの爪を甘噛みしながらチーズを探り当て上手にチーズだけを咥えて食べた。左手の爪にその心地よい前歯の感触が忘れられない。

  • 2017/12/22 12:51

小躍りしていた。ごはんを準備し始めると足踏みしながら付いて回り、調った気配に餌台までわずか数メートルを全力疾走した。タローのご飯を三度に分けていたのは健康上の理由からでは全くない。あまりに喜ぶので、1日に2回より3回楽しませてやりたかったからだ。

それが10日ほど前に生まれて初めて顔をそむけて欲しくない仕草をした。ボクたちの動揺は激しかった。「餌を変えろ!餌が悪のいのかもしれない!」ずっと続けていた餌が予告なしに成分などレギュレーション変更したのが気になっていた。体によさそうな餌を片っ端から注文した。体調不良が原因不明だった頃で、餌のせいにしたいという気持ちも働いていた。

タローは一時小康を得て,新しい餌ももりもり食べていた。

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そして死んでからもそれらの餌が届き始めた。ボクらはまた声をあげて泣いた。

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10倍近い値段のものもある。それで元気になるなら安いものだと割引定期購入の手続きもしていた。

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