母の美容院
- 2024/06/27 20:58
6月19日分
母は山の別荘地にある美容院が行きつけだった。ボクらが移住する前はご主人が母を送迎してくれた。ボクと同じ髪結いの亭主なので忙しくはない。
カットとパーマで9000円は標準的な値段だが、母はいつも1万円札を出して、おつりの1000円札を返していた。送迎のお礼を兼ねていた。
ボクが送迎するようになってからもその1000円を平気で受け取っているのがボクは少し癪に障っていた。母は気にしていない。
先月、母が東京に行く前日に予約をしていたところが、その日、ちょうど家の前の道が入り口で工事のため、車が出入りできないことを忘れていた。母は
「大丈夫」
今日は迎えに来てもらいましょうと気軽に電話をかけた。即答で断られた。ボクが電話を代わって事情を説明したが、送迎は難しいと言われた。それならば…工事が終わる3時過ぎに時間を変えてもらえないか聞いた。何しろ東京の友だちと会うのは翌日である。ところが予約でいっぱいだとのこと。10年近く毎月行っていた個人経営の美容院である。ボクとしてはたぶん営業終了のあとにカットだけでもしてもらおうと、…いやしてもらえるだろうと甘く考えていた。が、けんもほろろだった。
「おばあさんに、自分でくるくるっと巻いていってと伝えてー」
これにはさすがにカチンときた。お得意さんである。同じ断るにも言い方があろう。それにボクには(人間の)子どもがいないので、誰も母をおばあさんとはよばない。もちろん高齢のため、数年前から自分でくるくるっとなどできなくなっている。
「ではとりあえず今日の予約はキャンセルしてください。」
ボクは電話にむかってそう言った。だがもう次はない。

リョーコたちの晴れ着の前撮りのときに着付けを頼んで以来、なおみが茅野の老舗美容院に行っている。母もお願いすることにした。

美容院に限らず、腕や商品の品質だけではない。気持ちの問題というものがある。
そういうわけでボクは毎月の美容院送迎から解放された。山とちがって茅野ならば二度往復する必要もない。買い物などの用足しをしていれば終わる。もっとも今日は天気があまりにもよかったので、買い物の代わりに山の写真を撮りにいずみ野の方へ行った。最初の4枚がその写真である。




ジュン/シュウ
なんと、そんな客商売でお客が来るのですか。
通い慣れているところが一番ですが、
そんな冷たい対応のところは、さっさと縁を切って良かったと思います。
そう、言い方ひとつで受け取るほうも
違ってくるのがわからないとは、お気の毒な方ですね。
シュウ☆
ボクもそう思います。
別荘地の奥なので、まわりにたくさんのお得意さんがいらっしゃるようです。
昔は母は自分で車を運転して行ってました。