善福寺川の桜とワイン
- 2023/03/25 23:53
3月25日
教室を卒業しても慕ってくれる教え子は多いが,お付き合いの続く親御さんとなると数えるほどである。Tさんご夫妻とは30年来親しくして頂いている。もちろん,12月4日のコンサートにも駆けつけてくださった。
八ヶ岳に行く前にと夕食の招待を受けた。ご主人はイケる口である。ここはどうしてもご相伴に預からねばならない。車なら15分ほどのところに電車とバスを乗り継いで行く。問題は腰痛である。昼に雨の中を恵比寿のギャラリーまで電車で出掛けたばかりである。出かけたと簡単に書くが実は10分に一度はしゃがみ込む。最後は這うようにしてようやく帰宅した。Tさん宅は近いからと言っても侮れない。帰りはバスのない時間なることを予測し,タクシーを呼ぶアプリというのをダウンロードした。利用者登録して経路も入力し,あとは送信すればよい状態にまでしてから,勇躍出かけた。
京王線も井の頭線も運よく座れた。
コミュニティバスは満席だったが,途中優先席が空いたので崩れるように座った。こんな健康そうな男が座るのかと乗客の視線が少々痛い。
Tさん宅は善福寺川にほど近く,雨上がりの美しい桜並木を歩く。
到着。
ワインコレクションから取って置きの赤ワインを開ける。
ボクも料理の天才を標榜しているがジョークである。夫人は正真正銘の料理上手である。話も合う。あまりの愉しい晩餐に,最近アルコールにすっかり弱いボクはあっという間に酩酊状態となった。酔っぱらうと気が大きくなり,駅まで15分くらいの距離は歩けるような気がしてきた。ついタクシーアプリを起動するタイミングも逸した。
健常者の15分はボクの30分であったことよ。時折,地面にしゃがみ込んで腰を曲げ伸ばす。歩き始めると足はなんとか上がるのだが前への推進力がない。途中からなおみがずっと背中を押した。
駅に着いて無事を知らせるLINEに添付した写真。さながらゴビ砂漠でも縦断したような表情である。