母と蒲公英と焼却炉
- 2023/04/29 23:08
移住して初めて母が一緒にウォーキングに出た。
「おふくろ,もう帰りかよ。」
往復500mくらいしか歩いていないが,歩かないよりはマシである。
今日はゴールデンウィークの初日らしい。朝からエコーラインの交通量があまりに激しいのでそれと知れた。
斯く言うボクらも脛が痛くて歩くのがキツイ。どうやら原因は下り坂である。あんまり痛いからなおみが今日はボクと同じコースにすると言うので,一緒に歩くとペースが速い。あえぎあえぎようやく帰り着くと,驚いたことに母が朝食の支度をしていた。半年ぶりのことである。ウォーキングは心身ともに体によいようだ。
朝食後にはこれも珍しくハガキを書き始めた。母が浅野さんと行った本栖湖の写真を絵はがきにプリントしておいてあげたのが効果を上げた。
はす向かいの加藤さんに誘われて,パンさんまでお茶をしにでかけた。なおみが様子を見に行って撮った写真である。午後からはダイニングの引き出しの整理を始めた。母のやたらアクティブな日になった。明日は寝込むだろう(笑)
片付けとタンポポ刈りと…なおみは今日もフル回転している。
DIYの依頼が入る。家具の床に段差調整のために挟む板。
続いて焼却炉作業。これで三度目だがリサイクルに出せない紙類がある。教室を移転してから20年間の子どもの成績表や面談記録である。山のようにある。束のままくべると燃え残るので,一枚一枚ずらしながら炉に入れていく。ほとんどすべての名前に記憶がある。ちゃらTやマナの成績表もある。全てが過去になってゆく。灰が溜まってきた。残りはまた後日。
「15分でいいから一緒にタンポポやってよ。」
と,なおみが言う。もっともなことである。作業は一人ですると辛いが二人だと楽しい。小鎌を取ってタンポポ刈りに加わった。毎日の片付けで全身が筋肉痛のため,庭での作業はなかなか思うにまかせない。
ハウスが建っていたところの地面を掃除してみた。なおみがここにモロッコインゲンを植えると言う。彼女は早くも田舎暮らしに順応しはじめている。ボクも鍬を振るうことになりそうである。
額縁の写真リストを作ってなおみが片付け終えた屋根裏に収納した。これでアトリエ予定地のスペースが大幅に確保された。明日は雨なのでいよいよ画材に手をつけようと思う。